映画会社の枠を超える「Captain America: Civil War」(5月6日から劇場公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年5月14日
- 2016年6月号掲載
悪との戦いで多くの一般人を巻き込んだことで国際的な批判の的となったアベンジャーズは、国際組織の管理下に身を置く協定を巡って、仲間割れをする。自責の念を抱き、協定に署名するアイアンマン側に付く者と、そうでないキャプテン・アメリカ側につく者が大バトルを繰り広げるのだが、その内輪げんかなバトル自体、空港をメチャクチャにするので、一般人にははた迷惑な気がした。しかし、そんなツッコミを払拭するようなサプライズが本作にはある。
今回、スパイダーマンの登場にはビジネス面で興味をそそられた。というのも、同キャラの映画版はソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(以下SPE)が権利を持っているからだ。2002年の「Spider-Man」以来、SPEはしつこいくらい続編とリメイクを作ってきた。後発の「アイアンマン」のヒットに注目したディズニー映画が、マーベル・コミックのスーパーヒーローたちがチームを組むアベンジャーズ映画シリーズの製作をスタートさせるも、スパイダーマンの登場は他社が権利を持つために不可能と言われていた。ところが、今回、史上稀なライバル映画会社間でのクロスオーバーを実現させ、スパイダーマンが登場。2017年にSPEが公開する「Spider-Man: Homecoming」でタイトルロールに抜擢されたトム・ホランドをそのまま起用した。おまけに、同作にはロバート・ダウニー・Jr.が、お馴染みのアイアンマン役で登場する。黄金時代のハリウッドがやっていたように、自社の看板俳優を他社とレンタルし合う現象の再来か?!(5月6日公開)
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