米国市民また非市民が米国の会社に米国内で雇用された場合、従業員および雇用主の両者は、従業員の身元と就労許可の有無を証明するために使用されるフォーム、I-9の記入を行わなければなりません。I-9は米国移民局(USCIS)のウェブサイトhttp://www.uscis.gov/i-9より入手することが可能です。本記事では、従業員の米国内での就労許可を確認するためのフォームI-9と、そのフォーム作成における雇用主の義務について、その基本情報を紹介します。
新しく採用された従業員は、就業初日にI-9のセクション1を完成させる必要があります。ただ採用オファーを受ける前には決して完成させてはいけません。セクション1には氏名、住所、誕生日、米国ソーシャルセキュリティーナンバーなどの基本情報を回答します。さらに、従業員は自身の市民権または移民上のステータスについて証言し、身元と就労許可を証明する期限の切れていない書類の原本を提示する必要があります。提出可能な書類一覧は9ページ目の説明欄から確認できます。一覧Aには身元と就労許可があることの両方を証明できる書類例が記載されています。一覧Bには身元証明のみが可能な書類の例、一覧Cには就労許可があることのみ証明できる書類の例が記載されています。従業員は、一覧Aから書類を1点提示するか、もしくは一覧Bと一覧Cからそれぞれ1点ずつ合わせて提示することも可能です。重要なのは、雇用主が提出書類を指定することはできないということです。雇用主は従業員が提出した書類を参考に、従業員が就業を開始した日から3日以内にフォームI-9セクション2を完成させなければなりません。なお、提出される身分証について、雇用主は原本の確認が必要ですが、それら複製コピーを撮っておくことも可能です。雇用主が書類の複製コピーを作成する場合は、新しく採用する従業員全員に対して平等に実施すること、または再確認のためでなりません。複製コピーはフォームI-9と一緒に保管しなければなりません。
完成したI-9は 雇用関係が始まった日から3年間、もしくは従業員の雇用が終了した日から1年間のどちらか期間の長い期間、雇用主が保管しなければなりません。これらのフォームは監査査察の際にすぐに開示できるようにしていなければならず、国土安全保障(DHS)や労働省(DOL)、司法省(DOJ)の役人の開示要求を受けてから3日以内に開示しなければなりません。雇用主は完成したI-9を人事記録と一緒に保管してもよいですが、I-9の監査に準拠しやすいように、USCISはこれらフォームと人事記録を別々に保管することを推奨しています。さらに、I-9と従業員の人事ファイルを一緒に保管していた場合はすべての情報が監査役に渡ってしまう可能性がありますが、これらを別々に保管することで、万が一、監査役にフォームI-9の保管ファイルごと渡したとしても、その従業員に関する他の個人情報の開示を制限することができます。
フォームの完成や保管を適切に行わなかったり、また監査時に法的に義務のあるフォームI-9の開示ができなかったりした場合、違反1件につき110ドル以上1万1000ドル以下の罰金を民事処罰として徴収されます。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします