第138回 交通事故後の情報交換

文/安岡忠展(Tadanobu Yasuoka)

 交通事故を起こした場合には、被害者であっても加害者であってもお互いの情報交換は大変重要です。警察を呼んでも来てくれないことも多いので、当事者同士が情報交換をしなければなりません。この情報が揃っていないと、保険会社がクレームを処理するのが大変困難となります。過去にあった例を紹介しましょう。

 ● 住所の間違い、または住所をもらうのを忘れた場合
 保険会社は相手側にさまざまな手紙を送ります。まずはClaim Acknowledgement Letterを送り、クレーム担当者の連絡先などを知らせます。そこから連絡を取り合うのですが、相手に手紙が届かないと手続きがなかなか進みません。
故意に間違った住所を渡す人もいますので、免許証・レジストレーションカードなどから自分で住所を書き写すようにしてください。

 ● 間違った電話番号をもらってしまった場合
 保険会社は相手の運転者に電話で証言を取ったり連絡を取り合ったりするために必ず相手に電話します。その電話番号が間違っていたり、番号を取り忘れたりすると手続きが進みません。相手から事実関係を確認できないとなかなか保険金の支払いもされません。忘れずに電話番号ももらってください。
 相手の名刺をもらうと職場の連絡先がわかるので便利です。携帯番号ももらい、その場でその携帯番号に電話して間違いないかを確かめるのも方法です。

 ● 保険会社の情報を聞き忘れた場合
 車輌保険に加入していない場合は、相手側からしか自分の車の被害額が取れません。その場合は、相手の保険会社との対応となるのですが、その保険会社の情報がないとクレームを報告することすらできません。多くの人、特に加害者の人で自分の保険会社に事故があったことを報告しない人がいます。相手からも応答がなく、保険会社の情報がなければ事故処理ができません。大変重要ですので、必ず情報をもらってください。

 このように情報が十分にないとクレーム処理ができなかったり遅れたりします。交通事故を起こすとパニック状態になり、冷静にすべての情報を取ることが困難です。普段から、情報を書き込む用紙を車の中に保管し、万が一事故にあった時はその用紙を使って書き込んでいけば聞き忘れる心配がありません。多くの保険会社で情報を書き込む用紙を配布していますが、弊社でも日本語と英語で書かれた書き込み用紙を提供しています。ご希望の方はinfo@daiwains.comに「事故情報用紙希望」と書いてリクエストしてください。

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安岡忠展 (Tadanobu Yasuoka)

ライタープロフィール

全ての保険を取り扱う総合保険代理店「ダイワ保険代理店」代表。顧客の保険代理人として「お客様にとってベストなプラン」を提供する。目標は「全ての保険を取り扱うことでお客様のニーズを把握し、生涯のパートナーとしてお付き合いいただくこと」。

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