第20回 「ロゴはポートランドで起業」
文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)
- 2016年12月5日
- 2016年12月号掲載, オレゴン州
2年前に起業を決意
まずはインスタグラム
2年前にポートンランドで起業して、今やオンラインショップでアメリカ国内は全州、海外には30カ国で商品が売れているというお店がある。Tシャツやキャップなどのカジュアルウェアのお店「ポートランドギアPortland Gear」だ。気さくにインタビューに応じてくれた経営者のマーカス・ハーヴェイさんはまだ20代半ばという若さ。オレゴン州の形がさりげなく入っている“P”はポートランドの頭文字、“Portland”をロゴに使ったデザインは、シンプルで着やすく、地元でも人気だ。HPでも、学生がカジュアルに着られる“BACK TO SCHOOL”というセクションを設けていて、我が家の高校生の娘もキャップがお気に入りだ。
オレゴン大学でスクリーンプリンティングやアパレルデザインを学んで起業。「ポートランドは、自分の生まれ育った町で、小さいけれどこのサイズがいい。フード、人もいい。ずっとこの魅力を何かで表現出来たらと思っていたんだ」という。とは言うものの、ゼロからのスタートでどうやって商品をアピールしたのだろうか。
「まず、2年前に“portland”というポートランドのいろいろなシーンを自分で撮ったインスタグラムを始めた。それが瞬く間に世界中から24万人を超えるフォロワーを集め、いよいよだと思って、同じ年のブラックフライデー(感謝祭明けの金曜日で全米の特売日として知られる)に2種類のアイコンとなるTシャツを載せてビジネスをスタートさせたんだ」。インスタグラムは“portlandgear”という商品を紹介しているアカウントも持っていて、そちらはなんと47万2千人もの人がフォローしている。今でこそ2人の従業員がサポートをしているが、当初はこのほかにフェイスブック、ツイッター、ワッツアップとソーシャルネットワークを駆使して、1人でビジネスを拡大してきたという。
ポートランド愛に賛同
地元有名チームもコラボ
eコマースとポップアップショップとして展開後、メジャーリーグ・サッカーのポートランド・ティンバースの本拠地であるスタジアム「プロビデンス・パーク」のすぐ近くにショップを開いた。元はクリーニング店だったのを、その時のレールをそのままディスプレイに利用して、シンプルながら洒落た造り。ビジネスを始めるにはいろいろと資金も必要だが、それについては「資金をこのビジネスに投資してくれる人を探したんだよ。事業プランについては、小さく始めてゆっくり成長と慎重に練るタイプ。投資してもらうにあたっては株式を発行して、利益還元もきちんと決めた」という。この2年間は順調に伸びて、株式は利益をのせて全部買い戻し、今は自分が100%の株主なのだそう。
NBAチームの「ポートランド・ブレイザーズ」や名物書店「パウエルズシティ書店」など用にもTシャツを作っている。「プレイザーズは僕も大好きで、しょっちゅう試合を見に行く。みんなポートランドが誇りだから、話を持っていったら喜んでくれているよ。観光協会のTravel Portlandのイベントにもポップアップで協力していて、今年はポートランドが人気の日本でのイベントにも出させてもらった」と語る。
“ポートランド”らしさあふれるインスタグラムから始まって「大好きなこの町をアパレルを通してアピールしたいんだ」というメッセージがとても伝わるインタビューだった。ショップのすぐ近くに、倉庫なども兼ねたオフィスも開き、「イベントなどもここで出来るしね!」と夢はますます広がっているようだ。
https://portlandgear.com
ショップ住所:627 SW 19th Ave, Portland, OR 97209
TEL : 503-437-4439
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