第2回 「全米一長い鍾乳洞壁のど迫力」
アーカンソー州

文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)

カセドラル(大聖堂)ルームという大空間の鍾乳洞に息を呑む
Photo © Michiko Ono Amsden

自然に囲まれた素朴なアメリカを満喫

 広いアメリカ、他州に目を向けてみればこんなところがあったのかというような旅先も。アウトドアスポットを中心にアメリカを旅して回る本シリーズの第2回は、アーカンソー州へ。大自然に囲まれた「オザーク・フォーク・センター州立公園」は、アメリカのフォークミュージックの生まれた場所であり、春から秋にかけて、ライブミュージックや音楽イベントで賑わう。アーリーアメリカの素朴な生活シーンを再現していて、キルトや陶芸などクラフトのワークショップや、ナイフ造りなども行われていて、古きよきアメリカの村に迷い込んだよう。

クラフトが飾る舞台で、バンジョーやフィドルが奏でられる
Photo © Michiko Ono Amsden

 「オザーク・フォーク・センター」には、豊かな森を生かした樹上オリエンテ―リングが楽しめる「ロコ・ロープス」という施設もある。地上10mの高さなので、安全のためにハーネスを着けて細い丸太の上を歩いたり、グラグラと揺れる吊り橋を渡ったりするのは、スリリングなだけではなくかなり体力もいる。難易度別に3つのコースがあり、インストラクターがついてくれる。実際、吊り橋などかなり間が空いていて、次の一歩を踏み出すのが恐いくらい。コースの最後、地上までは滑車につかまって一気に下りる“ジップライン”で。達成感もあってみんな雄叫びを上げている。

驚きの鍾乳洞にトラウト釣りなども

 アーカンソー州には、全米で唯一、米国森林局(US Forest Service)が管理をしているという「ブランチャード・スプリングス洞窟」がある。エレベーターで地下約111mまで下りるとそこには驚くべき鍾乳洞の大空間が待っている。洞窟ツアーに参加すると鍾乳洞の成り立ちや歴史を解説してくれる。この洞窟が発見されたのは1963 年だが、この頃は冷戦時代でシェルターとして使うことを考えて洞窟探索が盛んだったそう。アメリカでも最大の幅を誇る鍾乳洞壁は圧巻。クリスマスなどここでコンサートも開かれるとのことで、HPをオープンするとそんな荘厳な音楽が流れる。

 ミシシッピ川に沿っているアーカンソー州には、その支流であるホワイト川やブラック川が流れる。4種類ものトラウトが生息するホワイト川は、釣りで有名。川のほとりに400エーカーもの敷地が広がる「ガストンズ・ホワイトリバー・リゾート」は、59年の歴史を誇るリゾートで、ここに泊まって朝から釣りを楽しむ人で賑わっている。釣った魚をレストランで調理もしてくれるから、上手くいけば釣り果でおいしいご飯にありつけるかも。

ホワイト川のあちこちで釣り糸を垂れているボート
Photo © Michiko Ono Amsden


■ オザーク・フォーク・センター州立公園 Ozark Folk Center State Park

http://www.ozarkfolkcenter.com

■ ロコ・ロープス Loco Ropes!

http://locoropes.com

■ ブランチャード・スプリングス洞窟 Blanchard Springs Caverns

http://www.blanchardsprings.org

■ ガストンズ・ホワイトリバー・リゾート Gaston’s White River Resort

http://www.gastons.com

*アーカンソー州 州都リトルロックのビル・アンド・ヒラリー・クリントン・ナショナル空港へは、LAから約4時間30分 アトランタから約1時間40分ほか。

取材協力 ミシシッピー・リバー・カントリーUSA https://mrcusa.jp

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小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

ライタープロフィール

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ。旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、翻訳多数。日本旅行作家協会会員。

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