コロラド各地のホテル事情

文&写真/齋藤春菜(Text and Photo by Haruna Saito)

旅行につきものなのが、ホテル選び。「コロラドはアクティビティや観光が充実しているから、ホテルは適当に選べばOK」と思っているあなた。コロラド旅行では、ホテル選びも実は重要だ。というのも、国立公園内にあるホテルや歴史あるホテル、アクティビティを開催するリゾートホテルなど、宿泊施設自体にメリットがあるところが多数ある。ここでは、各エリアで数あるホテルの中から厳選した施設を紹介する。

デンバーでは歴史あるホテルでゆったりと

1. Kimpton Hotel Monaco

ホテルモナコは、ヨーロッパ風の美しい内装とカラフルで洗練されたデザインが魅力のホテル。ダウンタウンに位置し、ユニオンステーションから徒歩10分、16番街モールへは徒歩3分と、各観光スポットがすべて徒歩圏内という立地も魅力だ。

館内にはワインバーやスポーツジム、サロン&スパなどがあり、数々の受賞歴があるイタリア料理店「Panzano」も。厳選された地元のオーガニックな食材が堪能できるので、ぜひお試しあれ。

2. The Brown Palace Hotel and Spa

1892年に建てられて以来、数え切れないほどの来客を迎えてきた歴史あるホテル。19世紀〜20世紀初頭に活躍した建築家Frank E. Edbrookeによって設計され、建物内外のデザインは彼の作品の特徴をもっともよく表しているとされている。

特徴は、入口を入ってすぐに見られる館内中央の吹き抜けスペース。アメリカで最初に建てられたアトリウムスタイルの建築の一つともいわれているそうだ。その名の通り、まるでお城のような豪華な内装には誰もがうっとりするはず。

3. The Crawford Hotel

ダウンタウンに位置し、デンバーのランドマークにもなっている交通の要衝、ユニオン駅(Union Station)に併設されているホテル。アール・デコをテーマとした部屋や、ビクトリア様式を取り入れた部屋、木製の梁とレンガで構成された部屋など、客室は歴史とともに移り変わってきたユニオン駅を表すかのようなデザインが施されている。

ゆったりと体を休めたら、駅構内を散策してみよう。メインホールにはデンバー発祥のレストラン、コロラドの地ビールや自慢のカクテルを味わえるバー、おしゃれなブティックなど、世界的に有名なショップが立ち並んでいる。

リゾートホテルが点在するコロラドスプリングス

1. The Broadmoor

2018年に創業100年を迎えた老舗の5ツ星ホテル。約3000エーカーという広大な敷地には、宿泊施設のほか、レストラン、バー、ゴルフ場、テニスコート、ショッピングエリア、スパ、プールなど、ありとあらゆる施設を併設。キャンプや釣りなどのアクティビティも実施しており、この敷地内だけで生活ができてしまうほどだ。

メインの建物である本館や西館には、創設者であるスペンサー・ペンローズ氏ゆかりの展示品や歴史ある部屋などが残っている。ペンローズ氏がその昔、ウマやゾウなど動物園のようにペットたちをこのホテルに住まわせていたこと、ひっそりとパーティを開催していたことなど、スタッフに聞けば、おもしろいエピソードを教えてくれることも。宿泊施設はメインとなる本館・西館のほか、国有林の中に建てられたホテルやロッジなど、大自然体験型(Wilderness Experiences)をテーマとした3施設がある。

2. Cheyenne Mountain Resort

目の前にシャイエン・マウンテンを望める高級リゾート。客室はすべてロッジとなっており、各部屋にあるプライベートのバルコニーからは、遮るもののない美しい田園風景が楽しめる。まさに自然の中での生活が体験できるホテルだ。

本館を入るとすぐに、大きな暖炉が温かく人々を迎え入れてくれる。ロビーを奥へ進むと、天井から床までの大きなガラス張りの窓から一望できるのは、コロラドスプリングスの平野。敷地内には8つのロッジとゴルフコース、テニスコート、湖、温水プール、スパなどが併設されている。レストランでは地元の食材を使ったシェフ自慢の料理が味わえるので、夜は山間の静かな空間で景色を堪能しながら食事を楽しもう。

パゴサスプリングスで温泉三昧

The Springs Resort & Spa

コロラド屈指の温泉地、パゴサスプリングスにある温泉リゾート。施設内にはギネスに登録されている世界一深い温泉「Mother Spring」があることでも知られている。ここのリゾートは、大小23の露天風呂がある温泉施設が人気だ。部屋で水着に着替えたら、チェックイン時にもらったボトルにフリーの飲料水を入れて、いざ、浴場へ。湯船にはそれぞれ名前がついており、温度も異なる。目の前には川が流れており、せせらぎを聞きながら湯浴みをすれば身も心もゆったりとリラックスモードに。

温泉を満喫したら、町散策にも出かけてみよう。徒歩5分ほどで行けるパゴサスプリングスのダウンタウンには、コロラドのみやげ物店やおしゃれなカフェ、朝から行列ができる人気のパン屋など、見どころがたくさん。ナショナル・フォレストに囲まれた町の周囲ではハイキングや乗馬、釣りなどのアウトドアも楽しめるので、日頃の疲れを癒しに訪れる観光客も多い。

メサ・ヴェルデ国立公園の中で宿泊

Far View Lodge

メサ・ヴェルデ国立公園のエントランスから15マイルほど中に入ったところにあるロッジ。伝統的な西部アメリカらしい内装を施された客室は、まるで別世界へと入り込んだかのよう。バルコニーからはメサ・ヴェルデの大自然の風景が広がり、朝夕の絶景や満天の星を誰にも邪魔されず、静かに見られるのが魅力だ。

大きな窓から絶景を眺めながら食事ができるレストランやギフトショップも併設されているので、ラグジュアリーな1日を過ごせること間違いなし。ロッジからはメサ・ヴェルデのハイライトである岩窟住居をめぐるツアーも出ており、ガイドがこの地で暮らした先住民の歴史や見どころの特徴などを解説してくれるので、参加してみよう

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

齋藤春菜 (Haruna Saito)

齋藤春菜 (Haruna Saito)

ライタープロフィール

物流会社で営業職、出版社で旅行雑誌の編集職を経て渡米。思い立ったら国内外を問わずふらりと旅に出ては、その地の文化や人々、景色を写真に収めて歩く。世界遺産検定1級所持。

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る