出産について考えよう Vol.6
〜妊娠しやすい子宮内膜とは〜
- 2018年12月7日
不妊治療や卵子提供、代理出産など、妊娠に関する悩みを持つ人は多くいます。そんな方々のために、不妊治療をサポートする専門のエージェンシー「LA Baby」が、不妊治療の可能性や選択肢の正しい情報を紹介していきます。
質の良い受精卵ができたとしても、子宮内膜の状態が良くなければ着床率は下がります。ここ最近の卵子提供を受けられた患者様の中にも子宮の状況が思わしくない方もおり、移植スケジュール作成のための会議が何度かありました。妊娠しやすい子宮内膜には、3つの大切なポイントがあります。
1.内膜がしっかりと厚くなっていること
2.形の良い3層の綺麗な内膜になっていること
3.適切なホルモン値になっていること
移植周期では、上記3つの条件がすべて揃うようにあらゆる工夫をしていきます。子宮内膜の状況が、教科書通りに整うことはとても稀です。たとえ内膜が厚くなっていたとしても、子宮の形が良くないと妊娠しません。内膜が厚くなっていたとしても、ホルモン値を適切にコントロールしなければ妊娠しません。
子宮内膜の構造
子宮内膜には、大きく分けると2つの層があります。月経時に脱落する機能層と、月経時に脱落しない固有層です。固有層は約1ミリ程度といわれていますが、それには個人差があります。
生理後に超音波検査をしていただくのですが、その理由は機能層がしっかりと脱落しているかの確認と、固有層の厚さを確認するためです。生理後は、ベースラインになっていなければなりません。ホルモン値も生理後の値になっていなければなりません。
子宮内膜をさらに分別すると、3層構造になります。機能層と呼ばれる緻密層と海綿層、そして固有層といわれる基底層です。子宮内膜の測り方は世界共通ですが、子宮の中でも通常数ミリの誤差はあります。
患者様によっては、この僅かな誤差が着床に影響する方もいます。私たちは、こうした誤差等も予測し、お薬の服用方法も考えていく必要があります。綺麗な子宮内膜をつくるために、ホルモン剤を工夫して服用する方法はあります。
海綿層は血液が豊富なふかふかの層の状態でなければいけません。このような理想の層をつくるためには、質の良い血液を集める必要があります。質の良い血液が集まれば、海綿層はよりふかふかの層になり、着床しやすくなります。そのために、血液を綺麗にするお薬を服用したり、お食事や睡眠などの生活習慣に注意したり、サプリメント(栄養補助剤)などが必要になってきます。
仮に状態の良い受精卵ができたとしても、状態の良い子宮内膜が整っていなければ妊娠しません。特に弊社には、最後の砦として来院される患者様も多く、過去の分析データを元にそれぞれの状況に合った調整をする必要があります。良い子宮内膜の状態をつくり、少しでも妊娠しやすい状況をつくるのが私たち卵子提供エージェンシーの務めです。
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