出産について考えよう Vol.1
〜卵子提供とは〜
- 2018年5月18日
不妊治療や卵子提供、代理出産など、妊娠に関する悩みを持つ人は多くいます。そんな方々のために、不妊治療をサポートする専門のエージェンシー「LA Baby」が、不妊治療の可能性や選択肢の正しい情報を紹介していきます。
はじめに
ここ数年、日本でも「卵子提供」や「卵子ドナー」という言葉を耳にする機会が増えてきました。インターネット時代が到来し、誰でも簡易にオンライン上でさまざまな情報を入手することが可能になった、大変便利な時代です。しかしその反面、誤った情報も多く蔓延しているのも事実で、はたしてどの情報が本当に正しいのか判断することも非常に困難になってきています。
「LA Baby」の卵子提供プログラムは2004年から活動を開始し、年間約150組のご夫婦をサポートさせていただいています。今までに2000組以上のご夫婦をサポートした経験と実績がある弊社では、これからの記事を通して、卵子提供の正しい知識を皆様へご提供させていただきます。
卵子提供とは
卵子提供とは、子宮に問題はないが、卵子に問題がある場合に行うプログラムです。卵子提供者(エッグドナー)の卵子とご主人の精子を体外受精して受精卵を作り、それを依頼者(奥様)の子宮に移植します。奥様に移植するので、奥様が妊娠、そして出産をします。
代理母が出産をする代理出産ではありませんので、卵子提供者は卵子を提供するのみで妊娠はしません。不妊で悩まれている患者様(依頼者)それぞれによって状況が違い、過去に卵子提供を受けた患者様の年齢は、20~50代までと幅広くいます。
今までサポートしてきた患者様の平均年齢層は、40代後半です。20代で卵子提供プログラムを受けられる大半の患者様は、早発閉経であったり、ターナー症候群であったりします。子宮やホルモン値、生理周期等の状況は個々で異なりますので、それぞれの状況にあわせてお体の調整をします。
卵子提供プログラムを希望される方の年齢低下
日本で長年にわたり不妊治療をしてから卵子提供を選択する患者様もおりますが、最近では経済的な理由で、自己卵子での不妊治療を繰り返さずに、早い段階で卵子提供に切り替える患者様も増え始めています。
また奥様ではなく、ご主人の精子に問題がある場合も多く、すべてのケースで顕微授精を行うようにしています。そして確実にプログラムを進めていくために、胚盤胞移植を目指しています。
卵子提供プログラムを受けられる患者様のご年齢
自己卵子での不妊治療から卵子提供プログラムへと切り替える適齢期には、個人差があります。また、適齢期は文化や社会、時代、医療技術の進歩によっても異なってきます。
一概に適齢期を定めることはできませんが、米国のデータによると、自己卵子から卵子提供プログラムに切り替える人が増え始めるのは43歳です。48歳では約92%の方が卵子提供プログラムを開始します。
自分の卵子での一般的な妊娠率や出産率、流産率などを考え、43歳で切り替える方が多いようです。また不妊治療に関連した保険は、43歳で適応されなくなるケースも多いです。その点、保険会社でもこれらの統計学的な数字から43歳がひとつの節目のようです。
43歳で、不妊治療の「止めどき」や養子縁組について考え始める方もいます。ただ、43歳以降で妊娠される方もいます。このように絶対にこうであるとはっきり断定することができないので、自己判断も難しいはずです。決断の前に、後悔のないよう十分にかかりつけの医師と相談されることをおすすめします。
弊社で卵子提供プログラムを受けられる方の大半は、46~49歳です。米国のデータの43歳よりも、年齢は高いのが現状です。ご年齢による妊娠・出産率は変わりませんが、高齢になるほど妊娠・出産に対するリスクが高くなることは知っておく必要があります。
患者様には、それぞれの状況がございます。データはあくまでも参考にし、ご夫婦でよく話し合って考え、自分たちでもっとも正しいと思う決断をするようにしてください。
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