Tajima America Corporation
アメリカのビジネスは、今

今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。

多頭式刺繍機の総合メーカーTajima America Corporationのプレジデント富永稔さんに話を聞いた。

ビジネスの詳細

Tajima America Corporationは日本本社が製造販売している工業用刺繍ミシンの北米・南米への輸入販売を行っており、ディストリビューターへの販売支援と技術サポートを主な業務としております。米国だけでなく、カナダやメキシコ、ブラジル、ペルーやエクアドルなどアメリカ大陸全てをここロサンゼルスからハンドリングしています。

アメリカでの刺繍の需要

刺繍のニーズは日本に比べアメリカの方が圧倒的に多いです。理由の一つは、メジャーリーグやアメリカンフットボール、ホッケー、バスケットなどのプロスポーツが盛んなこと。もう一つは、帽子の保有率が日本人に比べて高いことです。アメリカでは野球帽を被る方が多い上、一人で幾つも持っていますよね。

面白いことに、先進国で人件費の高いアメリカは機械を使っての衣料品の生産は向かないとされていますが、刺繍商品に関しては非常に大きな市場で、弊社商品の売上は例えば中国と比べても、アメリカの方が大きいのです。中国や東南アジアでは同じ商品を大量生産する場合はコストが安く向いているのですが、少ないロットで多種類を作る場合は返って効率が悪くなるためアメリカでの生産が好まれます。また、近年は高級ブランドも個人のイニシャルを入れるなどカスタマイズ商品がトレンドになっており、オンラインビジネスで全米からバッグ、タオルなどにイニシャルを入れたりするカスタマイズで成功した顧客の中には1頭式刺繍機を1400台も工場に設置するお客様もいらっしゃいます。

自宅のガレージで1頭式刺繍機1台のお客様から巨大な工場での大量生産まで、幅広い需要に答えるために様々な種類の商品を提供しております。

日米のビジネスの違い

弊社は1990年にアメリカに進出し、私はその3年後に渡米しました。米国に赴任する直前まで日本と文化の近い東南アジアを担当していたこともあり、米国とのギャップに最初は驚かされましたね。

一番感じたことは、現地社員との関係です。友達のような関係にならないと動いてくれないケースが多く存在します。例えば日本の場合、社長を下の名前で呼び捨てで呼ぶことなどありませんが、米国はCEOでも下の名前で呼ぶようなフレンドリーなカルチャーです。自分は「偉いんだ」というような態度をしていると社員はついてきてくれません。また、ローカルの社員は自分から距離を近づけないとなかなかいい関係が生まれませんので、できるだけ自分から声をかけてコミュニケーションを取るよう心がけています。

転職社会のアメリカで社員に長く務めてもらうことは非常に重要です。嬉しいことに弊社の社員はほとんどが10年以在籍しており、長い人は勤続30年にもなります。小さな子どもが入れば誕生日を覚えていてちょっとしたプレゼントをするなど、その人だけを見るのではなくその家族を見ることで会社をファミリーのように感じてもらうことが、長く務めてもらう秘訣ではないでしょうか。

作業をする技術スタッフの皆さん

米国進出希望者へのアドバイス

「辛抱」です。日本的な感覚で物事が進むことはありませんので、辛抱と何度も繰り返し同じことを言い続ける忍耐力です。そしてもう一つは「日本の常識を取り払うこと」。日本では売れないと思う商品が評価されることは頻繁にありますね。そしてビジネスを行う過程では「お客様のケア」が最も大切だと思っています。そこだけは日本式の考え方をしっかり持った方が良いですね。

例えば商品の修理に行く際、対象の商品だけでなく隣にある商品も一緒に点検する、修理が終わった数日後にフォローアップの連絡を入れるなどはアメリカでは普通のことではありません。こうした日本式の丁寧なサービスを続けることで、他の企業との差異化を図れる上お客様からの信頼を得ることもできると考えています。

驚くことにこちらも刺繍なんです

今後の展望

短期的には今景気の良いアメリカ、カナダ、メキシコの市場を維持していくこと。長期的には、エクアドル、ボリビア、コロンビア、ブラジルなど南米諸国に市場を広げていきたいと思っています。市場のアップダウンをお互いにカバーし合えるように、バランス良く様々なマーケットで販売できるよう尽力していきたいですね。

Tajima America Corporation

■ホームページ:http://www.tajima.com/
■住所:19925 South Susana Road, Rancho Dominguez, California 90221, U.S.A.

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る