【ニューヨーク不動産最前線】
ニューヨークのハロウィーン

気がついたら空気がひんやりしていて秋になっていました(笑)。ハロウィーンの季節です。アメリカ人はハロウィーンが好きですね。ニューヨークも例外ではなく郊外では家中を飾り付けてお祭りのような雰囲気を演出して、観光名所になっているところもあります。マンハッタンでは一軒家がなくて集合住宅ばかりなので、ハロウィーンの趣も郊外とは大きく異なります。今回はマンハッタンのハロウィーンのお話です。

街なかでは色んなイベントが企画されていて、特にダウンタウンのビレッジ地区で行われるVillage Halloween Paradeは有名です。でもこれらは映画などで見る、子供が近所の家々をトリック・オア・トリートと言って渡り歩くほのぼのとしたお祭りではなく、プロ顔負けの仮装をした大人たちのパレードという感じです。

実は、マンハッタンでもトリック・オア・トリートが行われているのです。10月に入るとすぐにビルのロビーはハロウィーン用のデコレーションに変わります。そしてハロウィーンが近づくと、ビルのボードとかマネジメント会社から知らせが届きます。トリック・オア・トリートに参加したい人は前もって登録してくださいという知らせです。子供がおどかしに来てもいいよというアパートは前もって教えてくださいというお願いです。参加するアパートはドアに印をしておいて、子供は印のある部屋にだけ訪問できるという仕組みです。ちなみにうちのビルに送られてきたトリック・オア・トリート参加へのお知らせメールです。ご興味ある方は見てみてください。

登録してあるアパートには、ハロウィーンの当日アパート入り口のドアに目印のかぼちゃマークを貼っておくと、午後4時から8時の間に子供がやってきますよ、と書いてあります。マンハッタンはビジネス都市で冷たいという印象の方もいらっしゃるかもしれませんが、このような話は心がほっこりしますね。

子供が来たらちょっとしたお菓子を渡します。住んでいるビルの中をエレベーターで行き来するだけなので、映画やドラマで見るような賑やかなお祭りムードはなくて殺風景ですが、それでも仮装した子供がビルの中をうろうろするのは楽しいし、普段交流のない住人同士のコミュニケーションが生まれます。それに大きなビルだと数百戸のアパートがあって60階建というのもあるので、訪問する子供にとっても結構な移動になります。マンハッタンならではなハロウィーンの過ごし方だと思います。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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