第77回 ティーンとオンライン

文&写真/福田恵子(Text and photo by Keiko Fukuda)

ニナが中学生になった頃から、「オンライン上でのいじめ問題に関するセミナー」が学校区主催で開催されるようになった。ソーシャルメディアなどを通じたいじめが原因で、子どもが不登校やうつ状態に陥ったり、その先にホームスクールに切り替えたりする話は身近に存在しており、問題は年を経るごとに深刻化していった。

私は一度も、関連のセミナーに参加したことはなかった。興味はあったし、何より原稿のネタになるとは思ったが、毎回タイミングを逃していた。しかし、十代の子はオンラインをどのように使っているのだろうとの思いがよぎり、突然、ニナに使用状況と意見について聞いてみた。

ちなみに、ニナにスマホを持たせるようになったのは、彼女が高校生になった14歳の時だ。1日に何時間くらいオンラインを使用しているかを聞くと、「6時間くらい」と返答。2018年のコモンセンスメディアの調べでは、ティーンの57%が「ソーシャルメディアを含むオンラインは宿題する際の邪魔になっている」と回答している。

その点についてニナに聞いたところ、彼女の答えはこうだった。「でも最終的に宿題は終わらせるからいいんじゃないの? 確かにこんなに長くYouTubeを見続けなければもっと早く終わったかも、と後悔することはある。でも、見てしまったものは仕方ないし、見たいものを見て、それで宿題に取り掛かって終わらせればいいと思っている」。

私もニナを責められない。自宅で原稿を書く私は、仕事中はコンピュータを常にオンにしている。そして、原稿書きや調べものの合間についついゲームで遊んだり、YouTubeを見始めたり、さらにFacebookで友人の動向をチェックし出したりすると、それだけ仕事はかなり押してしまう。しかし、その分睡眠時間は削っても原稿は終わらせているので、自分の中では良しとしている。「結局宿題は終わらせるのだからいいではないか」と主張するニナとまったく同じことをしているわけだ。

Instagramは連絡手段にも

では、ソーシャルメディアでのやり取りというが、一体どんな種類のものを使っているのだろうか? 「まず、Instagram。ダイレクトメッセージ機能もあるので、友達との連絡は大抵これ。それ以外にTwitterやReddit、Snapchatもよく使う」と回答。通常、大人の私たちがよく使うEメールやLINE、はたまたFacebookは人気がないようだ。

その理由を聞くと「Eメールを使う人っていないと思うよ。先生に質問がある時に使う程度。LINEはお母さんとばあばとM(日米ハーフの友達)以外とは使ったことない。だって誰も使ってないから。Facebookはフルネームで登録しないといけないから、敬遠している。個人が特定されるのは嫌だし、私たちの年代ではなくてずっと年上の人たちのソーシャルメディアだっていうイメージがある」と答えた。今やEメールさえも十代は「そんなものを使う人は誰もいない」と断言する状況らしい。

前出の調査でも、「毎日Instagramを使うティーンの割合が2015年には52%だったのが、2018年には72%」となっている。それにしても連絡手段にもInstagramを使っているとは驚いた。そこで「金曜にミュージアムに行く約束を友達としていたでしょ? あれは何でやりとりしたの?」と聞いてみると「Instagram」と即答した。

また、2018年の同調査で「ティーンが好むコミュニケーションの方法」はソーシャルメディアが16%、インパーソン(実際に会うこと)が32%となっている。そしてなんとテキストメッセージが35%で、インパーソンの数字を上回っている。

そこでニナにこんな質問をした。「友達のMやLと実際に時間を過ごすのと、コンピュータの前でYouTubeを見て過ごすのと、どちらか一つを選べと言われたらどっち?」。それに対する彼女の答えは「難しいね。どっちを選ぶかは、その時の気分によるよね」だった。ちょっとしたショックだった。

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福田恵子 (Keiko Fukuda)

福田恵子 (Keiko Fukuda)

ライタープロフィール

東京の情報出版社勤務を経て1992年渡米。同年より在米日本語雑誌の編集職を2003年まで務める。独立してフリーライターとなってからは、人物インタビュー、アメリカ事情を中心に日米の雑誌に寄稿。執筆業の他にもコーディネーション、翻訳、ローカライゼーション、市場調査、在米日系企業の広報のアウトソーシングなどを手掛けながら母親業にも奮闘中。モットーは入社式で女性取締役のスピーチにあった「ビジネスにマイペースは許されない」。慌ただしく東奔西走する日々を続け、気づけば業界経験30年。

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