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大学入試

2021年1月から導入される「大学入学共通テスト」とは
グローバル化の進展やIT技術革新などにともない、社会構造は変革しています。予見の困難な時代の中、新たな価値を創造する力を育てることが必要であり、1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持ち多様な人々と協働して学ぶ態度、という「学力の3要素」を育成・評価することが重要です。そのために、高等学校教育と大学教育、両者をつなぐ大学入学者選抜を一体的に改革し、転換していくという日本政府の方針に基づき、従来の「大学入試センター試験」に代わり「大学入学共通テスト」が導入されることになりました。

これまでは知識・技能を問う問題が中心でしたが、大学入学共通テストでは、思考力・判断力・表現力を評価する出題形式に変わります。たとえば、複数の資料を組み合わせて考える問題、正解となる組み合わせが複数ある問題など。これまでとは問いかけの角度が変わり、身につけた知識を活用して問題を解決する力が重要視されます。丸暗記するのではなく、過程をしっかりと理解することが鍵となるのです。

大学入学共通テストの教科別対策
国語
導入予定だった記述式問題は、採点の仕組みが疑問視され先送りとなりました。2021年はすべてマーク式ですが、出題内容は今までとは異なるでしょう。現代文は論理的・文学的・実用的な文章を題材とし、異なる種類や文章を組み合わせた複数の題材による問題が検討されています。従来の評論と小説に加え、詩の韻文やエッセイ、法律の条文といった実用的な文章など、多様な文章に触れておきましょう。写真が掲載された評論や会話文からなる設問を解くことは、文章間や図表を関連づけて理解する練習に役立ちます。漢字、語句の意味といった語彙力の強化も必要です。

古文では、複数の文章を関連づけて読ませる出題や絵を用いた設問、生徒の発言を選択肢に仕立てた設問が予想されます。単語や文法などの基礎知識を身につけ、読解の練習を積むことが大切です。和歌の問題は共通テストでも頻出すると考えられるので、センター試験の過去問を演習用に利用しましょう。

漢文は複数の問題文が用意され、授業を想定したレポートや対話形式での出題、内容を踏まえたうえで語句の読みや意味を判定する出題が考えられます。重要語句、基本句形、漢詩の知識など基礎を固めたうえで、文章構造や文脈の展開、筆者の意図に注意して読解力を培いましょう。

数学
数学Ⅰで導入が予定されていた記述式問題も先送りとなりましたが、日常生活を題材とした問題、解決過程を振り返り発展的に考える問題など、これまでとは異なる出題が予想されます。たとえば、前出の方針をヒントに類似の問題を追加の誘導なしに一から解かせる出題、選択肢の内容を正確に読み取り、状況を想定して反例を探すなど、思考力が問われます。長い問題文を素早く読み理解したうえで、未知の題材や設定を含む問題に対し解答の道筋を立てる姿勢が必要です。さらに重要なのは、解法を丸暗記するのではなく、公式や定理を深く理解すること。これまでは難関大入試で必要とされていた、みずから解答方針を立てて解く力も不可欠です。

英語
4技能(読む・聞く・話す・書く)の評価のため、TOEFL iBT、GTEC、実用英語技能検定などの民間の検定試験を活用する予定でしたが、費用負担の不公平性が問題視され先送りとなりました。リーディングはすべて読解問題形式となり、読む分量が増えるため速読力が求められます。質問や選択肢に事前に目を通して、すばやく概要を捉えることが大切です。また、読解には文法・語法の知識も不可欠。情報を整理し理解したうえで、言い換えの選択肢を適切に選ぶ練習を実戦的な読解問題で行いましょう。

リスニングはリーディングと同じ配点(100点)になります。教科書レベルの語彙力で対応できる表現が多く、日常生活や学生生活をベースとした場面を中心に出題されます。英語を母語としない話者も登場するので、多様な音声に触れておきましょう。事前に選択肢や表・グラフ資料に目を通し、聴き取りのポイントの予測をつけることが大切です。

私立大学入試の傾向
近年に目立つ入試の多様化の動きは加速化すると予想されます。従来型の、文系学部は国語・地歴公民または数学・英語の3教科、理系学部は数学・理科・英語の3教科という一般入試を主流にしつつも、AO(アドミッション・オフィス)入試のような小論文、面接、グループディスカッション、プレゼンテーションなどで選考する方式が増加するでしょう。また、TOEFLなどの民間の英語検定試験のスコア提出を必須とし、さらに高校時代の活動内容を重視するグローバル入試、国際バカロレア(IB)取得者を対象とするIB入試なども増加すると考えられます。

帰国生入試の形態

私立大の帰国生入試は、海外での在学年数や高校卒業の有無、各国の大学入学資格試験の合格やスコアなど、大学ごとに異なる条件を定めています。書類審査に加え学科試験も課されます。大学・学部によって異なりますが、おおむね文系学部は小論文と英語、理系学部は小論文と数学・理科。多くの大学・学部では面接も行われます。一方、秋入学で受験する場合は、高校の成績や推薦書、SATやTOEFLのスコアなどの書類審査のみで合否が判定されます。
国公立大の帰国生入試では、大学入学共通テストの受験を免除する大学がほとんどで、選考方法も私立大とほぼ同様です。入試日が重複していなければ複数校の受験も可能です。

帰国生入試の対策
文系学部でも理系学部でも課されることの多い小論文の対策には、時間がかかります。小論文は、自分の意見を構築して述べるために豊富な知識が必要。出題テーマは、最近日本や国際社会で起こった出来事、社会現象を扱う大学もあれば、学部・学科に関連する専門領域に関する問題を扱う大学もあります。つまり、一般教養的な広い知識と専門的な深い知識が必要なのです。知識を得るには、読書やインターネットでの情報収集が有効。学部・学科の専門分野に関連する書籍や、新書の経済学入門のようなものがおすすめです。語学力に自信がなければ英書を読んでも構いません。インターネットでは時事問題や、学部に関連する専門分野の最新ニュースなどをチェックしておきましょう。

英語はTOEFLのスコア提出を求める大学が増加しています。不要だとしても、入試科目で英語が課される場合もあるので、TOEFL対策は進めておきましょう。また、国内生と同一の入試問題を課す大学もあります。日本の受験英語は文法重視なので、文法を正しく理解しておくことが重要。特に難関大は、難易度が高い論説文の出題があります。速読力を鍛え、英文を日本語に訳して書く力を鍛えましょう。

理系学部で課される数学や理科は、日本の高校での履修範囲から出題されます。海外の高校で数学や理科が得意だったとしても、日本の入試問題は難しく厄介だと感じるかもしれませんので、早めに学習を始めましょう。

春入学の帰国生入試は、学科試験も面接の質疑応答もほとんどが日本語です。日本語を強化するには、日常的な読書が有効。論説の読み解きに慣れておくため、新聞の社説を読むのもおすすめです。また、中3までの常用漢字は最低限読み書きができるようにしておきましょう。

帰国生入試は9月初めから始まります。アメリカで高校を卒業した後だと、準備期間は約2カ月しかありません。確実に間に合うように、海外にいる今から準備を着々と始めておきましょう。

取材協力
丹羽筆人

日本の大手予備校勤務を経て1999年に米国に移住、各地の補習校や学習塾の講師を務める。2006年に米日教育交流協議会を設立、海外在住子女の日本語・日本文化体験プログラムを企画運営。河合塾海外帰国生コース北米事務所進学アドバイザー、名古屋国際中学校・高等学校アドミッションオフィサー北米地域担当・国際高等学校同職、サンディエゴ補習授業校教務主任も務める。
米日教育交流協議会:www.ujeec.org/

舞台はグローバル。国際人材に求められる資質

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ) 上級副学長 加藤智恵
www.tuj.ac.jp/jp/ug/index.html

東京・世田谷区のTUJキャンパス(写真提供:TUJ)

新型コロナウィルスにより世界の価値観が根幹から揺さぶられる今、進学準備を進める皆さんはさまざまな選択肢に悩まれていることでしょう。

TUJは4年制州立総合大学であるテンプル大学の日本校として、リベラルアーツを教育指針の基盤に真のグローバル人材を輩出しています。本学の特徴は、学生の4割が日本、4割が米国、残り2割がその他外国籍という国際的な環境で、すべて英語により米国大学式授業で学ぶ点です。プレゼンや議論を中心とした教育システムに慣れた皆さんにとって、日本で米国大学の教育をそのまま受けられる環境は、将来の可能性を広げる絶好の機会といえるでしょう。日本を離れず米国大学の学位を取得することはもちろん、TUJで1・2年を過ごし、その後米国本校や他大学へ編入するなど選択肢の幅も広がります。

卒業生を見ているとグローバルに活躍する人材は、未曽有の変化にも柔軟に対応する創造力、解のない問いに挑む批判的思考、多様性を享受しながら他者と協働するコミュニケーション能力を兼ね備えていると感じます。受験生の皆さんは、高校時代に勉強や課外活動を大いに頑張ってください。本学はほかの米国大学と同様に1回の受験の結果ではなく、高校時代の学力や共通テスト、語学力等から総合的に入学審査を行います。Common Appでの出願も受け付けています。国際人材を目指す強い意志を持った皆さんをお待ちしています。

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