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【ニューヨーク不動産最前線】
不動産詐欺に注意
- 2022年5月12日
今日の社内ミーティングで不動産詐欺の話が出ました。70万ドルの物件を購入するために、手付金として預けた7万ドルが持ち逃げされたという話です。先週末、本当にあった話です。
弊社のブローカーが週末に家にいた時、コンシェルジュからインターコムで連絡がありました。ロビーで男性がブローカーを待っていると言って、ずっと座り込んで困っているので助けてほしいという連絡でした。通常、こういう事情でコンシェルジュがわざわざレジデントに連絡をすることはありませんが、深刻な事態だったようなのでボードメンバーでもある彼女のところに連絡して来たようです。
ロビーにいた男性は、物件のクロージングのためにブローカーと待ち合わせていたのですが、1時間半待ってもそのブローカーが現れないと言ったそうです。男性は手付金7万ドルをブローカーに支払っていたそうです。この時点でもうすでに警告ランプ点滅です。
そもそもクロージングが現地で行われることはないし(通常は銀行、ブローカーもしくは弁護士のオフィスです)、手付金はクロージング当日まで弁護士のエスクロー口座に預けることになっています。手付金がブローカーを経由することはありません。手付金を払うに至るまでには弁護士と話し合って契約内容の確認があり、契約書にサインをして手付金を支払った後にはボードの入居審査もあり、クロージングに至るまでにうんざりするほどのプロセスをクリアしなければなりません。手付金を支払ったからすぐにクロージング、とはならないのです。
男性はテキサスから来て、物件を見ずに契約をしたということでした。マンハッタンの物件売買のシステムを知らず、ブローカーにお金を送って手付金を払ったら、あとはクロージングで現地に行けば完了すると思い込んでいたようです。
いろんな意味でこの話は驚きですが、最近のインターネットの普及により、バイヤーも直接ネットで問い合わせたり交渉したりできる時代です。時間も交渉内容も自分でコントロールできるという気持ちになるのも分からなくはありません。でも、やはり現地には現地のルールがあり、マーケットをよく知る信頼できるアドバイザーを見つけることを強くおすすめします。
ちなみに、このビルにはそのような物件は存在せず、住所と部屋番号を勝手に利用した架空のリスティングだったようです。もちろん、お金を持ち逃げした(自称)ブローカーは詐欺です。実在するリストを巧妙に自分の名前で、あたかも実在するリストのように見せかけていたようです。
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