- Home
- ライフ
- 日本の年金・永住帰国・親の終活
- 日本への永住帰国で必要となる身元保証人
日本への永住帰国で必要となる身元保証人
- 2022年11月26日

日本へ永住帰国する際に知っておくべきことの一つに、身元保証人制度があります。住居の賃貸契約の際に身元保証人が必要というのは広く知られていると思いますが、そのほかどういった場面で必要となるか、また身元保証人にはどういった責任が生じるのか、今回はこの身元保証人について紹介します。
身元保証人の役割
身元保証人とは、その名の通りある人の身元を保証する人のことで、いくつかの場面で求められます。代表的なものとしては賃貸住宅を借りる際(賃貸契約)、就職して雇用関係を結ぶ際(雇用契約)、お金を借りる(金銭消費貸借契約。ただし連帯保証人※1のケースが多い)などの場面が挙げられ、そのほか皆さんに関連するものとして、米国籍取得者が日本へ永住帰国する際も必要となります。対象となる場面によってその保証の範囲が決められますが、主な役割は本人緊急時の連絡先や債務保証になります。
永住帰国の際に求められる身元保証人のケースと役割
リタイアした高齢者が日本へ帰国して生活する際に身元保証人が必要となるのは、主に以下のケースとなります。
賃貸住宅への入居身元保証人の主な役割は、家賃滞納時の対応(場合によっては立替が発生)と死亡時の対応(遺体や遺品の引き取り)となります。賃貸住宅のオーナーは高齢者の入居をあまり歓迎していませんでしたが、少子高齢化による若い世代の利用者が減ってきたこともあり、最近は高齢者を受け入れる傾向にあるようです。そのためしっかりとした身元保証が求められます。身元保証人がいない場合は保証会社の利用を認めているところが多いです。保証会社は一般的にその物件と提携している業者がいますので、利用を希望する場合はそのオーナーか、仲介する不動産会社に問い合わせします。保証会社の料金は、月額家賃の1~1.5カ月分というところが多いようです。
高齢者施設(特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、有料老人ホーム等)への入居身元保証人の主な役割は、入所(入院)・退所(退院)時の手続き(費用精算)、介護(ケア)プランの確認、死亡時の遺体・遺品引き取りとなります。引き受けてくれる人がいない場合は保証会社の利用を認めているところが多いです。賃貸住宅同様、施設によって提携している保証会社がありますが、なかには自分の希望する保証会社の利用が認められている所もあります。
医療機関での入院身元保証人の主な役割については厚生労働省のガイドライン※2に規定されており、医療機関の多くは以下の内容を身元保証人に求めています。
① 緊急時の連絡先となること
② 入院計画書、治療方針を確認すること
③ 入院時に必要な物品を準備すること
④ 入院費等の支払いをすること
⑤ 退院時に引き受けること
⑥ (死亡時に)遺体・遺品を引き取ること・葬儀等を手配すること
身元保証人を引き受けてくれる人がいない場合は、民間の保証会社を利用することができます。保証会社によって保証対象、料金は異なります。
身元保証人を引き受けてくれる人がいない場合
親、子、兄弟が身元保証人を引き受けるのが一般的ですが、高齢者の場合、親や兄弟が他界していない、未婚者が増えつつあるなかで子どもがいない、またはいても米国在住のため引き受けてくれる人がいないというケースが目立つようになりました。身元保証人がいない場合、一部の高齢者施設、医療機関を除き入居することはできませんが、そうした場合の選択肢の一つとして民間の保証会社の利用があります。
保証会社については賃貸契約時、高齢者施設の入居契約時、医療機関利用時などの各必要場面に応じて料金メニューを決めているところが多いようです。また高齢者向けの場合は、死亡時の死後事務手続きまでカバーされているものもあります。
在留資格取得申請時の身元保証人(外国籍の場合)
米国籍取得者については、今後の日本帰国の際に必要になるので併せて紹介します。
外国人が在留資格を取得して日本に居住(住民登録)する際には、身元保証人が必要となります。在留資格の種類によって異なりますが、元日本人が通常取得申請する「日本人の配偶者等」では、日本国内に居住する親族や親しい知人が引き受けることが多いです。
その役割は入管法で規定されており、その外国人の日本滞在中の「滞在費用の支払い」「帰国費用の支払い」「法令の遵守」となっています。これだけ見ると費用負担しないといけないような記述となっていますが、滞在費用、帰国費用は通常、帰国者本人が負担しますので、病気やけがをして収入がなくなるなど緊急時に身元保証人が援助してあげてください、というものです。しかも法的責任がないため、援助できなかったとしても法的に問題になることはありません。したがって、今後日本へ永住帰国する際に身元保証人を誰かに依頼する場合、そのことをしっかりと説明することで相手の疑問、不安の解消に役立てましょう。
<備考>※1:連帯保証人は保証責任の内容が身元保証人とは異なります。
※2:厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/content/000516181.pdf
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします