将来に役立つお金の教科書2023

資産が目減りしない運用方法


アメリカでの資産運用は、リスクを伴わないで誰でも簡単に運用をすることができます。資産の運用先は4つのカテゴリに分けることができます。どのカテゴリで資産運用をされるのかはご自身の自由です。


表の左半分は課税対象の資産運用、右半分は非課税対象の資産運用です。また、上半分は市場リスクを受ける資産運用、下半分は市場リスク受けない資産運用になります。資産が目減りしない資産運用のコツは、市場リスクと税金の二つを上手に扱うことができる「資産B」と「資産D」での運用になります。

たとえば、皆様が身近で資産運用されているものとして401KやIRAがあります。401KやIRAはリタイヤ後のために資産運用するプランです。これらは「資産A」に属し、Tax-deferred(税金繰延)で税金は資産を使うときまで繰り延べされますが、市場のリスクを受けます。実際に401KやIRAのステートメントを見て、資産が下がってがっかりした経験がある方も多いと思います。

では、資産が目減りしないように運用するにはどうすればいいのでしょうか?

アメリカのAnnuity制度

Annuityはリタイアメントプランのひとつで、個人年金と呼ばれます。Annuityは税金繰り延べですので、お金が増えても所得税を支払う必要はありません。401KやIRAと同じように、59.5歳を過ぎてから資産を引き落とす時に課税されます。AnnuityにはSurrender termという資産運用期間がありますが、プランの中にはこの資産運用期間中に資産の引き落としができるものもあります。

Annuityのプランには、資産を増やしていくプランと一生涯年金を受け取るプランがあります。

資産蓄積型
資産を蓄積することに重点を置いたプランで、初期投資額に対してある割合でキャッシュボーナスを保険会社がいれてくれるプランもあります(ボーナス特典は保険会社や居住地の州により異なります)。引き落としが始められる時が来たら、自由に資産を引き落とすことができます。

生涯保障型
生涯保障に重点をおいたプランで、Annuityにある運用資産額を超えても、加入者は亡くなるまで一生涯にわたり一定額または増加額を受け取ることができます。


Annuity制度での資産運用には2つの方法があります。

1. 401KやIRAからのロールオーバー

市場リスクのある401KやIRAは、資産が目減りしない「資産B」のAnnuityに移すことができます(「資産D」に直接資産を移すことはできません)。これをロールオーバーといいます。401KやIRAをAnnuityにダイレクト・ロールオーバーすることで、早期引き落としのペナルティや課税を回避できます。以前に働いていた会社の401K がいくつもある方は、複数の401K を一つのAnnuityのアカウントにまとめて運用することもできます。

日本へ帰国する場合
日本に帰国される前には、今まで運用された401KやIRAを無理に解約せずAnnuityにロールオーバーしておけば、大事な資産はアメリカで価値が下がることなく運用されます。また、アメリカで加入されたAnnuityは日本では年金扱いとなり、日米租税条約によってAnnuityからの資産受け取り時に二重課税されることはありません。


2. 銀行にある預貯金からの投資

Annuityは銀行の預貯金からもプランを開設することができます。また、非課税で使える「資産D」も銀行の預貯金から資産運用をすることができます。401Kなどからのロールオーバーで開設するAnnuityとの違いは、銀行の預貯金からAnnuityで資産運用される場合はRMD(Required Minimum Distribution)が関係しないということです。

RMDとは、IRAや401Kといった課税所得控除の退職金積立口座から資産を引き出すルールを定めた制度です。401KなどのTax-deferred(税金繰延)リタイアメントプランは、73歳になったらIRSが定めた比率で計算した金額を毎年引き出さなければいけません。引き出しが必要でなくてもRMDが定めた最低引出額を引き出す必要があり、これを怠るとペナルティが課されます。

銀行の預貯金からAnnuityで資産運用をする場合、この制度の対象とはなりません。

以上、できるだけ簡単にAnnuityのご説明をさせていただきました。Tax-Freeの「資産D」での資産運用につきましても、無料相談を受け賜っております。

執筆者

野崎哲弘 (Ted Nozaki)
Marketing Director, World Financial Group
(CA License #4141439)
Email: nozaki.ted@gmail.com
URL: https://agents.worldfinancialgroup.com/tetsuhiro-nozaki

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