経営を改善させる技術「ITと管理会計」
第2回 経営改善の強い味方〜その①「管理会計」
- 2025年1月28日

財務会計と管理会計の違いって何?
タジマ君:「先生、あけましておめでとうございます!!本年もよろしくお願いします!!早速なんですが前回『PDCAサイクル』を教えてくれるって言ってましたよね?新年早々でなんなんですがお願いします!」
ミゾグチ先生:「あけましておめでとう。新年からやる気だね!でも、その前にタジマ君の会社の経営改善に欠かせない『管理会計』について話しておきたいんだ。」
タジマ君:「管理会計?それってP/LとかB/Sの話ですか?」
ミゾグチ先生:「P/LやB/Sなどは財務会計というカテゴリーの話になるんだ。財務会計と管理会計では目的も役割も違うんだよ。まずその違いから説明するね。
財務会計と管理会計の違い
会計には大きく分けて「財務会計」と「管理会計」があります。財務会計は株主や債権者などステークホルダーへの報告が主な目的で、法令に基づく形式で作成されます。一方、管理会計は経営者が意思決定を行う際の判断材料として利用するため、形式や方法に決まりがなく自由度が高いのが特徴です。

タジマ君:「つまり、管理会計は会社で自由にルールを決めて使うことが出来るってことですか?」
ミゾグチ先生:「うん、そうなんだ。KPI(key performance indicator)ってよく聞くでしょ?KPIだって管理会計の活用形態の1つなんだ。企業で働いている人達は知らない内に管理会計に関与しているものなんだ。だから、堅苦しく「会計」と考えるよりも、意思決定や経営管理に役立つ手法として捉えると良いかもしれないね」
管理会計の自由度と活用のポイント
管理会計は法令に縛られないため、経営課題に応じた柔軟な仕組みを設計できます。ただし、自由度が高い分、使い手には責任が伴います。
ミゾグチ先生:「ところで、タジマ君の会社では顧客セグメント別の売上や粗利のデータは簡単に引き出せる?」
タジマ君:「システムにはそういう機能があるらしいんですけどデータを出したことはないですね。営業マンが自分の担当するお客さんの売上と利益を個別にエクセルで管理してるのが現状です。みんなシステムに苦手意識があるんです
ミゾグチ先生:「管理会計を活用するためにITシステムは欠かせないから、苦手意識を克服して理解を深めていきたいね。管理会計とITシステムを活用するために抑えておいた方が良いポイントは次の2点だよ」
管理会計とITを効果的に使うための2つのポイント
管理会計手法とデータの選定
経営課題に応じたデータ(例:店舗別粗利益、労働生産性、ダウンタイム目標値)を設定し、課題解決に必要な情報を明確にすることが必要です。他社の手法を安易に真似るのではなく、自社の課題を把握し、ITを活用してデータ収集・分析を効率化することが成功の鍵となります。
運用を念頭に置いた設計
管理会計の仕組みは、目的に沿って適切に運用されなければ効果を発揮しません。そのためには、まず、管理会計の仕組みの目的や手法を従業員に正確に伝達すること、そして、人事評価との連携など運用のモチベーション向上のための仕組みも重要になります。また、効果を急ぐあまり最初から複雑な仕組みを導入するよりも、最初はシンプルな仕組みから段階的に導入することも仕組みの定着には役立つでしょう。その際、ITを積極的に活用することで、導入や運用の負担軽減やミスを防ぎつつ運用を安定化させることが期待できます。
タジマ君:「なるほど、やみくもに管理会計とシステムを導入すれば良いというわけでは無く、ちゃんと自社の課題を把握することと、実際に従業員のみんなが運用できるし組みにしなければいけないんですね…。難しいけど、これからじっくり取り組んでみようと思います!」
ミゾグチ先生:「うん、頑張ろう!」
タジマ君:「はい!じゃあ、今日のところはこのくらいにして、もう一杯飲みましょう!」
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