広告詐欺の被害が増大している。
クリック詐欺(click fraud)とも呼ばれるデジタル広告詐欺は、販促担当者や販促専門業者らのあいだで「ボット問題」として知られる。調査会社ネタスィア(Netacea)の調べによると、会社の73%は売り上げの4%をオンライン広告詐欺によって失っている。
クリック詐欺には、隠し広告や自動リロード、ドメインなりすましを含む数種類のおもな手口がある。わかりやすい不正行為としては、クリックしただけで課金する詐欺や、見えない広告を埋め込んだり閉じた画面を強制再表示することで表示回数を不当に増やして広告料金を発生させる手法、顧客を装うボット(自動化ソフトウェア)がある。それらは数多くのボットによって実行される。
ベンチャービート誌によると、問題はそれだけにとどまらず、そういったボット群が販促分析におよぼす悪影響も同等の損害を会社にもたらしていることが調査でわかった。調べによると、会社の68%は、ボットによって汚染された販促分析の結果としてオンライン売り上げの4.07%を失っている。
ネタスィアによると、クリック詐欺はほぼすべての業界に被害をもたらしているが、旅行業界と電子商取引の会社らが他業界よりやや大きな被害を受けている。
また、自身の事業にボット広告詐欺が悪影響をあたえていることについて知らないと答えた割り合いはゼロだった。そのほか、クリック詐欺と、販促分析への悪影響が深刻化している、と答えた割り合いは約3分の2にのぼった。
販促担当者や販促専門業者らは、あらゆるデータをもとに販促作戦について意思決定をくだすため、ボットによって歪められたデータをもとにすれば、当然ながら誤った作戦を打ち出すことになり、その結果、商機や販売機会を失うことになる。
ネタスィアは、米国と英国に拠点を置く電子商取引と通信サービス、娯楽、オンライン・ゲーミング、動画逐次配信、旅行、金融サービスの会社らに、それぞれの販促分析に対するボットの影響を考慮するよう進言している。
ネタスィアが報告した今回の調査は、B2B調査会社コールマン・パークス(ColemanParkes)との協業によって440社を対象に実施された。調査対象となった会社の年商は3億5000万ドルから70億ドル。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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