【ニューヨーク不動産最前線】保証人がいないとNYで部屋は借りられない?

ニューヨークの賃貸人保護法では、大家が一度に受け取れる家賃の前払いは「1カ月分まで」と決められています。2019年以前はこうした上限がなかったので、3カ月分や1年分をまとめて前払いしておくこともできました。

前払いには、大家にとっては「家賃の取りっぱぐれ防止」、借りる側にとっては「支払い忘れによる遅延金や送金の手間を避けられる」などのメリットがありました。なかでも一番大きかったのは、学生のように安定収入がなくても、1年分を前払いすれば入居審査を通過できることです。ニューヨークの審査では、最低でも雇用証明書・収入証明書・銀行残高証明・納税証明書などの提出が求められ、さらに「年収=家賃の40倍」という厳しい条件をクリアする必要があります。

もし前払いができない場合は、保証人を立てるのが一般的です。逆にいえば、保証人がいないとアパートを借りられないケースが多いのが現実です。法律上は保証人がニューヨーク州に住んでいなくても問題ありませんが、実務上はNY州や近隣のニュージャージー州・コネチカット州に住む人に限定されることがよくあります。これは、万が一トラブルになったときにニューヨーク州法が適用され、裁判所の管轄に従ってもらう必要があるからです。なので、契約前に州外保証人が認められるかどうかを確認することが大切です。

保証人も借り手と同じように、銀行明細・納税申告書・雇用証明・収入証明の提出が必要で、さらに「年収=家賃の80倍」という厳しい条件が課されます。そのため、海外に住む親や家族を保証人にするのは難しく、多くの場合は現地で保証人を探さなければなりません。

どうしても保証人が見つからない場合には、「Insurent」や「The Guarantors」といった保証会社を利用する方法があります。これらはアメリカ国内だけでなく海外の借り手にも対応しており、条件を満たせば利用可能です。費用はかかりますが、「アパートを借りたいけど保証人がいない……!」というときの最後の切り札になります。

ニューヨーク市内でアパートを借りるには、賃貸契約書にサインするだけでは契約は成立しません。その後にコンドミニアムやレンタルビルの入居審査にパスしてはじめて入居が認められるため、申請書類の準備が大きな鍵となります。もし書類の準備に不安がある場合は、専門の不動産エージェントに相談してみるのがおすすめです。きっとあなたに合った最良の方法を一緒に見つけてくれるはずです。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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