環境技術製品製造の促進制度を実施 〜米エネルギー省、奨励策で開発支援

 米エネルギー省は、米国のクリーン・エネルギー製品の製造促進制度「クリーン・エネルギー・マニュファクチャリング・イニシアティブ(Clean Energy Manufacturing Initiative)」を発表した。

 グリーンビズ誌によると、同制度は、風力や太陽、地熱、電池、バイオ燃料といった分野において、価格競争力の高い関連製品の国内製造を拡大することが目標。

 米国の産業復興法(Recovery Act)では、クリーン技術分野の機器を製造する会社に対して30%の税控除が認められていたが、この条項は期限切れとなった。今回発表された新制度は、その税優遇策に代わる製造業奨励制度になるとみられる。

 エネルギー省ではこれまで、クリーン・エネルギー分野の研究開発支援制度を通じて2300万ドルを拠出してきた。さらに、太陽発電の製造コストを削減する目的で、1500万ドルの補助金を割り当てている。

 「米国は、二つの選択肢を与えられている。未来のエネルギー技術を国内で製造して世界各国に輸出するか、この分野の主導権を明け渡して他国から技術を輸入するかの選択肢だ」と、エネルギー省のエネルギー効率および再生可能エネルギー担当次官補デイビッド・ダニエルソン氏は話す。

 同制度が発表されたのは、テネシー州オークリッジにあるエネルギー省カーボン・ファイバー技術施設のテープ・カット式典。同施設は、製造業界の企業に対してカーボン・ファイバー素材を試験および開発する場を提供する。

 カーボン・ファイバーは、軽量乗用車や次世代風力タービンに欠かせない新素材として注目されている。同施設を通じて、カーボン・ファイバーの製造コストを下げるのが狙いだ。

 カーボン・ファイバーのような軽量合成素材を使うことで、乗用車の重量を50%軽くし、燃費を35%高めることができる。ただ、そういった素材が普及するには、価格低下と製造工程の簡略化が必要となる。

 同施設では、年間約25トンのカーボン・ファイバーを製造する見通し。エネルギー省の補助金3500万ドルを受けて建設された広さ4万2000平方フィートの製造施設では、フォードやダウ・ケミカル、フォルクスワーゲンを含む企業と公共部門の提携団体の計40組織以上が参画している。

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