炭素ナノチューブでコンピュータ作成〜スタンフォード大

 スタンフォード大学の研究チームがこのほど、カーボンナノチューブ(CNT)製トランジスタを使ったコンピュータの作成に成功した。単純だが正しく機能するといい、シリコンに代わるコンピュータの新素材として期待される。

 カーボンナノチューブは、炭素原子で構成される円筒状の微細粒子。これを集積回路(IC)の素材にすれば今より小さく、速く、消費電力も少ない次世代コンピュータが開発できると言われているが、扱いが難しいという欠点があった。

 ニューヨーク・タイムズによると、スタンフォードのチームはまずCNTでトランジスタを作り、これを142個つなげて期間18カ月で完全なコンピュータを作り上げた。実際に機能し、簡単な演算と分類が同時にできるという。研究報告書は英科学誌ネイチャーに掲載された。

 現在、ほとんどのコンピュータはシリコン基板のトランジスタでできており、トランジスタ1個の大きさは22ナノメートル(nm、1ナノは10億分の1)が現在の標準だが、約2年ごとに小さくなっており、2020年以降には5nmという限界に達すると考えられている。

 今回作成されたコンピュータのCNT製トランジスタは、大きさが1ミクロン(100万分の1メートル)と22nmに比べれば「巨大」だが、正しい演算ができる「チューリング完全」(計算完備)な機械だという(スタンフォードのフィリップ・ウォン氏)。

 IBMトーマス・J・ワトソン研究センターのスプラティック・グハ氏は、「実に優れた研究だと思う。汎用コンピュータまたはチューリング完全な機械の製作にカーボンナノチューブが使えるという初歩的な実証」と高く評価している。

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