転換期を迎えたストレージ機器業界 〜 クラウド普及で機器販売が頭打ちに

 右肩上がりの成長を続けてきた法人向け接続型ストレージ・ハードウェア市場だが、企業におけるクラウド・ストレージ利用への大転換による影響が見え始めてきた。

 イーウィーク誌によると、世界最大手の独立系ストレージ・ハードウェアとソフトウェア・メーカーのEMCは、売上高の二桁台(%)成長を約25四半期にわたって続けてきた。

 ストレージ・メーカーの多くがEMCのように増収を続けてきたが、調査会社IDCの最新の調べでは、2014年第1四半期の外付けストレージ・システムの世界工場出荷額は前年同期比5.2%減の56億ドルにとどまっており、その成長に陰りが見えてきた。

 特に高位製品に対する投資(支出)が25%減と大きく落ち込んだことが影響した。5.2%という減少率は2009年以来で最悪だった。

 IDCは市場低迷の理由として、高位製品の不振のほかに、ストレージ最適化技術の普及をはじめ、既存システムを長期的に利用する一般的傾向、景気の不透明性、パブリック・クラウド製品によって消費者が短期的なストレージ需要に対応できるようになったことを挙げた。

 ストレージ製品の容量がわずか10年前と比べて数百倍に拡大したこともディスク製品の新規購入が減ってきた背景にある。

 企業はクラウド・ストレージ・サービスを使えば、自社でストレージ製品を購入する必要が以前ほどなく、実際、まったく購入しなくても困ることはない。

 また、アマゾン(Amazon)やラックスペイス(Rackspace)、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、グーグル(Google)、アップル(Apple)が提供するクラウド・サービスに対する企業の信頼度も、IT技術の進化とともに高まってきた。

 さらに、アマゾンが2006年以降にクラウド・ストレージ・サービスの料金値下げを43回行い、グーグルもそれに対抗していることも、企業のクラウド・サービス利用に拍車をかけている。

 アマゾンとグーグルの値下げに他社が続くのは時間の問題だ。

 EMCやネットアップ(NetApp)、デル、日立、富士通といったストレージ・メーカーは、そういった市場環境の変化に応じて新事業を立ち上げ、その多くはクラウド・サービス事業にも参入済みだ。

 2014年は、それらの企業がいかに迅速に市場変化や課題に反応できるかが、ますます問われることになるだろう。

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