車両リコールの遅れ許さず〜NHTSA局長、対応強化を明言

 運輸省道路交通安全局(NHTSA)のマーク・ローズカインド局長は、ワシントンで同局が主催した官民会合「Retooling Recalls(リコール改革)」で、自動車メーカーによるリコールの遅れを問題視し、対策を強化する考えを表明した。

 ニューヨーク・タイムズによると、昨年12月に局長に就任したローズカインド氏は、フィアット・クライスラー(FCA)がジープのスポーツ多目的車(SUV)156万台を対象とする燃料タンクのリコールで、修理が大幅に遅れていることについて「現状に落胆している。数が恐ろしいほど少なく、命の危険につながる」と語った。

 局長は同時に、搭載車が数百万台に上るタカタ製エアバッグの欠陥問題にも触れ、タカタの協力が十分ではないと批判した。

 FCAは2年前、追突時に車の後部にある燃料タンクから出火する死亡事故が続出したのを受け、車両を保護するトレーラー・ヒッチを後部バンパー下に装着するリコールを開始した。ところがその後も衝突に伴う火災が相次いでいる上、リコール対象の2002〜07年型「リバティ」ではこれまでにわずか4%、1993〜98年型「グランド・チェロキー」は27%しか修理が終わっていない。

 ローズカインド氏は、対象車数の拡大や修理内容の強化など「あらゆる」選択肢を検討する意向を示した。一方でエアバッグのリコールを迅速化する具体策には言及しなかった。

 自動車メーカーは14年、過去最高となる約6400万台のリコールを実施した。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る