英保険大手、車にブラックボックス 〜 レッドテイルの技術で事故原因を解明

 英保険大手アドミラル(Admiral)グループは、車両追跡システムを開発するボストンのレッドテイル・テレマティクス(Redtail Telematics)と3年契約を結んだ。アドミラルは今後、レッドテイルの技術を使った動画記録サービスを提供していく。

 ファイナンシャル・タイムズによると、アドミラルが提供する保険パッケージ「プラグ&ドライブ」では、レッドテイルの開発したブラックボックスのような機器を保険契約者に提供し、加入者がそれを自家用車に取り付けることで、交通事故の直前から瞬間までの速度や場所、衝撃方向を記録する。

 データは、レッドテイルのソフトウェアを使ってアドミラルの保険申請処理室に転送され、グーグル(Google)の仮想地図化サービスによって再構成される仕組みだ。

 レッドテイルのソフトウェアは、ほかの車を表示しないようにして映像化するため、事故を起こした瞬間の車の位置を正確に示すことができる。それによって、運転者に過ちがあったかどうかといった事故原因を特定できる。

 アドミラルはそれをもとに、適切な保険料の算出が可能になると期待する。

 レッドテイルのブラックボックス機器は、1秒間に1000回のデータ読み取りが可能で、フォーミュラー・ワンでもすでに導入されている。

 レッドテイルの技術はまた、保険詐欺を防ぐ効果も期待される。現在、英国の保険会社は1日あたり380件という不正の保険申請を受け取っている。調査員が保険請求内容の正当性を精査するものの、見破れない場合もある。そのため、保険金の支払額が増え、それが保険掛け金の引き上げにつながる。

 レッドテイルのブラックボックスを利用することで詐欺行為を摘発でき、不要の保険金支払いを避けることで、保険掛け金を引き上げずにすむ、とアドミラルは期待する。

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