マースク、4000人削減へ〜海運不況で、造船も中止

 コンテナ海運世界最大手のAPモラー・マースク(A.P. Moller-Maersk、デンマーク)は4日、数年来のコンテナ船需要の低下を受け、人員4000人を削減し、新造船の発注を取りやめる計画を発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、人員削減は地上勤務の2万3000人が対象で、2017年末までに完了する。また、世界最大のコンテナ船「マースク・トリプルE」6隻の造船発注オプションを放棄し、さらに小型船舶8隻の発注を先送りする。

 所有船拡大計画の中止は、マースクにとって180度の戦略転換となる。同社は09年の金融危機以降、コンテナ船市場の低迷が続く中でも大規模な投資を継続。圧倒的な市場シェアと強大な資金力を武器に競合各社が緊縮を強いられる中でも事業拡大を目指してきたが、10月に15年の業績見通しを下方修正した。

 マースクはさらに、今後2年間で年間管理費を2億5000万ドル削減するほか、第4四半期に計画していた35回の運航を中止する。

 同社は15年に入り、コンテナ1万9000個を積載できるトリプルEを11隻発注した。オプション行使を放棄した6隻は拘束力のない追加発注オプションで、マースクによると賠償は伴わない。造船は韓国の大宇造船海洋(DSME)が受注した。

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