サイバー攻撃は深刻な懸念〜物的損害や投資リスク以上と企業幹部
- 2013年3月5日
- 米国ビジネス
ハッカーによるサイバー攻撃やデータ侵害を心配する企業が増えていることが、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の調査で分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、調査は米国とカナダ企業のリスク管理担当者、上席幹部を対象に行われ、サイバー攻撃を懸念する企業は85%に上り、物的損害(80%)や投資リスクに関する懸念(76%)を上回った。
保険業界は10年以上前から、商業保険でサイバー・リスクに対する保険を追加提供しているが、今回の調査結果は、顧客情報が管理できなくなる状態を企業が深く心配していることを裏付けている。AIGの国際金融業者向け賠償責任保険担当者、トレイシー・グレラ氏は「ほんの1年前と比べても、企業はサイバー被害がIT(情報技術)だけにとどまらないという認識を深めている」と話した。
再保険仲介バーンズ&ウィルコックスのデイビッド・デリジョリス氏によると、サイバー・リスク保険は最近までなかなか売れなかったが、1年ほど前から価値が認められ始め、過去12カ月でサイバー保険の販売を2桁伸ばした同僚もいるという。
また、この数年で保険料が大幅に下がり、保険の内容も改善されてきたため、企業の関心が高まっている。AIGなどの保険会社は現在、データ侵害問題や関連州法について解説する「情報流出指導」サービスのほか、消費者の質問に答える電話センターのサービス、いかに情報が流出したかを判断する専門家の派遣サービスも提供している。
最近では、エネルギー省、ツイッター、ウォールストリート・ジャーナルを含む複数の機関でサイバー被害が発覚した。1月に国内銀行の一部で相次いだ「サービス拒否」攻撃の背後にはイランが存在すると考えられている。
サイバー・リスク保険を比較的早くから利用している企業は、早くからハッカーの標的にされた小売店に多い。大型・中型の小売店では75%が関連保険に加入しており、同規模企業の平均加入率(約20%)を大きく上回っている。
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