シェール・ガスで北米製造業の競争力が向上か

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、RBCキャピタル・マーケッツ(RBC Capital Markets)とエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit)が行った最新の調査分析では、天然ガスの記録的な価格低下が、世界競争に臨む北米企業にとって「大変革をもたらす要因」になると位置づけされた。

 シェール・ガスのブームが及ぼす影響は産業によって異なる。特に石油化学や肥料の製造業に大きな恩恵をもたらすと期待される。それらの業界では、生産コストの最大90%が、加工原料およびエネルギーの費用で占められているためだ。

 一方、輸送交通業界への影響は、やや穏やかになる。ガスへの完全な切り替えが進むというよりは、業界全体にわたって燃料の多様化が進む可能性が高い。

 同調査は、様々な業界の北米企業357社の経営陣を対象に実施された。回答者の87%は、天然ガス価格が向こう2年間に横ばいか上昇傾向になると予想。73%は、向こう5年間で10%以上の値上がりを予想した。

 エネルギーや製造、輸送業界の企業は、市場要因や事業モデルを見直して、シェール・ガス開発が投げかけるリスクの評価に注力している。全産業の総合では、米国企業の回答者の52%、カナダ企業の回答者の48%が、シェール・ガスによって国の競争力が高まると予想した。

 また、回答者の54%は、シェール・ガス開発を受けて天然ガスが中期的に米国の主要輸出品目の一つになると考えていた。しかし、米国の全体的な景況に天然ガスの輸出高が与える影響は必ずしも大きくはなく、雇用創出に対してはプラスの影響があるものの、エネルギー安保や環境懸念から輸出規模には限界があるという見方が主流を占めた。

 また、調査に回答した機関投資家の25%は、開発過程での使用化学品が明らかにされていないことがガス関連投資への障害になると考えていた。

 天然ガス開発の懸念要因としては、環境リスクと規制リスクの管理、および基幹設備整備の問題が挙げられる。

 湿性ガスが急速に注目を集めるようになり、パイプラインの供給状況が変化していることを受けて、米国北東部では基幹設備に弱点が生じるという事態も確認されている。

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