車両データ利用に関する州法めぐり議論白熱

マサチューセッツ州とカリフォルニア州で、インターネットとつながる車(コネクテッドカー)が生成・処理できる情報へのアクセスに関する州法をめぐり、自動車業界が議論を闘わせている。

オートモーティブ・ニュースによると、マサチューセッツでは「修理する権利(right to repair)」法の改正に関してメーカーとアフターマーケット(後付け部品)業界の意見が対立。カリフォルニアでは車両データの収集と扱いに関する自動車メーカーの義務を含む新しいプライバシー保護法が論争を呼んでいる。

■ワランティとリコールは例外

カリフォルニアでは2018年、データの収集と共有方法を消費者に開示するよう企業に義務付けるプライバシー法を州議会が可決したが、州当局はまだその執行規則を作成中だ。州司法長官室は20年7月1日までに関連規則を採用しなければならないため、10月、規則案が発表されて意見公募が始まった。

同州法は、消費者が自分のデータの削除を求める権利や、個人情報の販売や共有を望まない場合は拒否する権利を認め、企業が16歳未満の個人情報を許可なく販売することを禁じている。州議会は、自動車メーカーとディーラーに関係する部分を修正し、ワランティ(品質保証業務)とリコール(無償の回収・修理)関連の修理目的に限っては、消費者の希望に反してデータが販売されない限り、メーカーとディーラーが車両データを保持・共有することを認めている。

州新車ディーラー協会(CNCDA)のブライアン・マース会長は「ワランティとリコール関連の車両情報をディーラーとメーカーが共有できることは、車の安全性を保つ上で不可欠」と強調する。

■修理業者らが権利拡大要求

マサチューセッツの「修理する権利」法は13年に制定され、自動車メーカーがディーラーや公認修理業者に提供している故障診断や修理情報へのアクセスを車の所有者や他の修理業者にも認めることを義務付けた。一方、アフターマーケット業界は、データ利用に関して新しい義務を加える修正案を支持してロビー活動を行っている。

自動車整備協会(ACA)のビル・ハンビー会長によると、現行法ではアフターマーケット業者がハイテク部品に適切で安全な修理をするために必要なテレマティクス情報への十分なアクセスが提供されていない。提示されている修正案は、独立修理業者がデータのアクセスに関して自動車メーカーへの苦情を当局に申し立てられるようにし、30日以内に和解が成立しなければ書類、ファームウェアの更新、安全やセキュリティ面の修正、診断、必要なツールなどを含む情報を提供しなかったとして自動車メーカーを訴えられるようにしている。

自動車メーカーを代表する2団体は「現行法はすでにアフターマーケット業者に十分なデータアクセスを提供している」と主張しているが、ACAは自動車メーカーにデータへのアクセス提供を義務付けている州法の条件が限定的すぎると反論。ACAで規制問題と当局との交渉を担当するアーロン・ロウ氏は「現行法は最新モデルの修理に必要なデータにアクセスするためのコストやハードルを上げ、修理業者やその顧客、車両所有者に犠牲を強いながらメーカーを競争上優位にしている」と指摘する。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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