新型コロナウイルス・パンデミックの沈静化にともなって全米各地で経済活動が徐々に再開されるなか、レストランの店内飲食の再開を支援する技術の開発も活発になってきた。
グリットデイリー紙によると、頻回の店内消毒やテーブル間の距離確保、店員らのマスクおよび手袋着用といった安全対策をレストラン客らが店側に求める一方で、ほかの客とのメニュー・ブックの共用に不安を抱いていることが複数調査で明らかになっている。しかし、使い捨ての紙メニューの手配は繁盛店にとってはコストが高くつき、メニュー・ボードの使用も品数が多い店には難しいという問題がある。
アップタウン・ネットワーク(Uptown Network)は、レストラン向けにアイパッド対応のワイン・リストと飲料メニューを提供することで、そういった課題の一部を解消したい考えだ。アップタウンのソリューションは、個々の顧客の端末に双方向型メニューを表示する非接触メニュー・システムだ。QRコードを利用するため、顧客が端末に専用アプリケーションをダウンロードする必要はない。
同社のデジタル技術は、もともと紙メニューに代わるコスト削減策として利用されていたが、パンデミック後に感染予防策として導入する店舗が増えている。同社のようなモバイル・メニューの導入の勢いは、「(パンデミックによって)数年加速した」とジャック・サーファス共同創業者兼CEOは話す。
レストラン向けPOS(point of sale)システム提供のタッチビストロ (TouchBistro)は、レストランの営業再開を支援するためにオンライン注文ツールと予約システムを期間限定で無料提供している。
そのほか、統合ローカルおよび販促サービス専門のブランドマスル(BrandMuscle) は、パンデミック後のレストラン業界からの反応にもとづいて既存のソリューションを改良し、位置情報基盤デジタル・メニュー・プラットフォーム「スポットメニューズ (SpotMenus)」を5月に提供開始した。
同社はスポットメニューズについて、飲食物流通業者向けに最適化し、さらにレストランやバーを対象に州政府の安全規制への準拠を支援するよう設計したと説明してい る。
【gritdaily.com/restaurants-are-using-technology-to-bring-back-customers-post-pandemic/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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