乗用車を化石燃料車から電気自動車(EV)に切り替えることで米国人は多額を節約できるが、長期的な節約の規模は、さまざまな要因によってかなり違ってくるという調査結果をエネルギー省が発表した。
グリーンカー・リポーツによると、EVの購入者は燃料費だけで15年間に3000~1万500ドルを節約できる可能性がある。これはEVの平均的な充電コスト(8~27セント/kWh)を基に算出された。充電にかかるコストは、電気料金、使用する充電機器の種類(AC充電かDC急速充電か)、充電機器の設置コスト、走行距離などさまざまな要因が影響してくる。
州ごとの違いもあり、ワシントン州では1万4500ドルが節約できる可能性があるが、4州(アラバマ、ハワイ、ミシシッピ、テキサス)ではEVに切り替えても節約効果がない場合があるという。
ただ、燃料費の節約は全体的な影響の一部にすぎない。テスラ以外のEVは価値の低下が早く、車を長期間持ち続けるつもりの消費者にとっては問題ないかもしれないが、早期の下取りを検討している消費者には負の影響を及ぼす。
全米自動車協会(AAA)はEVの所有コストの低さを利点に挙げ、その節約分で化石燃料車より高い平均購入価格を相殺できる可能性があると指摘する。しかし、消費者の多くは購入時にすべての利点を考慮しないため、初期費用の高さは依然としてEVへの切り替えの最大障壁となっている。
電池価格の継続的な低下と電池寿命の延長は、先行投資コストを減らすだけでなくより長期にわたってコストを償却するのに役立つ。最近のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの報告書は、電池の価格は23年までに容量1kWh当たり100ドルに下がり、EVの価格が内燃エンジン車と同等になると予想している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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