マイクロソフト(Microsoft)は毎年恒例の新製品発表催事イグナイト(Ignite)の仮想開催において、製造業や金融サービス、医療向けのクラウド・ソリューション群及びクラウド基盤の販促と供給網、小売向けソリューション群を発表した。
ベンチャービート誌によると、マイクロソフト・クラウド・フォー・マニュファクチャリング(Microsoft Cloud for Manufacturing)は、垂直(特定業界の上流から下流を対象とした)クラウドの最新製品で、現場作業員と事業資産、工程、ビジネス・プロセスを接続化させることで、製造現場の業務過程管理や問題検出、業務処理を効率化する。
同社は、クラウド・フォー・マニュファクチャリングを2月にすでに発表している。今回発表されたソリューションは、既存と最新機能を統合したものだ。
同ソリューションの利用大手であるジョンソン&ジョンソンはマイクロソフトとの協業によって製造現場のデジタル変革を推進中だ。
マイクロソフト・クラウド・フォー・ファイナンシャル・サービシズ(MicrosoftCloud for Financial Services)は、アジュールやマイクロソフト365、ダイナミクス365、パワー・プラットフォームの新機能群を銀行向けにクラウド基盤で統合し、消費者向け銀行らが「顧客体験と従業員体験の向上を図る」ために設計されている。
マイクロソフト・クラウド・フォー・ヘルスケア(Microsoft Cloud forHealthcare)は、2020年に発表され、今回、試験版の新機能が追加された。おもな新機能には、医療機関が一つの患者記録をほかの患者記録と関連づけて調べられるようにすることや、チームスの遠隔医療向け(オンライン動画診察)に仮想待ち合い室とオンライン予約が統合されたこと、オンライン予約および仮想診察向けの日程調整と確認、そして、医師が患者に助言できるチームス向け仮想診察マネジャー(Virtual VisitsManager)がある。
販促ソリューションのカスタマー・エクスペリエンス・プラットフォーム(Customer Experience Platform)は、既存のマイクロソフト・カスタマー・インサイツ・アンド・ダイナミクス365マーケティング(MicrosoftCustomer Insights and Dynamics 365 Marketing)製品群に蓄積された各種の業務資産をてこ利用し、「購入を刺激する個人化販促」の展開をサービスとして利用会社らに提供する。
マイクロソフトによると、カスタマー・エクスペリエンス・プラットフォームの顧客会社には、ホーム・ディーポやチポートレのほか、販促サービス代理提携業者のVMLY&Rやキン+カータ(Kin+Carta)がある。
かたや、試験版の段階にあるサプライ・チェーン・インサイツ(Supply ChainInsights)は、供給網の可視化をさらに拡大するよう設計されている。数多くの取り引き先からの膨大な量のデータをほぼリアルタイムで集めて分析することで、潜在的なリスクや問題を評価および予想し、問題回避や対応策の迅速な意思決定を支援する。
同ソリューションの採用会社である北米ダイムラー・トラックスでは、多くの供給業者と調達部品、注文、配送状況、納期に関する大量のデータを横断的かつ包括的に視覚化し供給網の可視性を大幅に向上できる、と話している。
小売向けソリューションのコネクテッド・スペイシズ(Connected Spaces)は、消費者行動に関する「新たな観点」を小売会社らにもたらす。マイクロソフトによると、小売現場から生産施設まで広範の環境における状況の追跡と観察内容から人工知能モデル群によって洞察を導き出して、傾向やパターンをほぼリアルタイムで特定し、販売強化や現場安全化のための意思決定を支援する。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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