2021年のサイバー・マンデイ(感謝祭連休明けの月曜日)における米小売業界のオンライン販売高は、やや低調と見積もられる。特売数が例年より少なく、世界規模での供給網逼迫がその要因とみられるが、全般的データをみると、米消費者らの購買意欲は旺盛といえる。
ロイター通信によると、米小売会社らは、販促をより長期間に分散することで、流通コストを抑えて利幅を守るという対策をとっている。
年末商戦期は、正式にはブラック・フライデイ(感謝祭翌日の金曜日)からクリスマス直前までの約4週間にまたがる。しかし、供給網逼迫による品薄や、すでに上昇している物流コストの影響を最小化するために、多くの小売会社は年末商戦をブラック・フライデイ前から本格化させ、さまざまの特売を10月から宣伝してきた。その結果、通常ならブラック・フライデイとサイバー・マンデイに集中する買い物が分散した。
アドビ・アナリティクス(Adobe Analytics)のデータによると、感謝祭当日とブラック・フライデイのオンライン支出(買い物)は史上初めて前年を下回った、とアドビ・デジタル・インサイツのテイラー・シュライナー氏は発表した。
アドビのデジタル経済指標(Digital Economy Index)によると、サイバー・マンデイにおける米オンライン支出(売上高、販売高)は、米東部時間11月29日午後9時現在で70億ドル。アドビはそれを受けて、サイバー・マンデイのオンライン売上高が104億ドル~111億ドルになるという予想を示した。
当初の予想では102億ドル~113億ドルだったことから、予想の範囲内におさまる見通しだ。2020年のサイバー・マンデイのオンライン売上高は前年比15%増の108億ドルだった。ことしは前年比成長率でみれば大きな鈍化といえる。
かたや、米オンライン買い物を支払い手段ごとに追跡するマスターカード・スペンディングパルス(MasterCard SpendingPulse)の調査によると、11月26日~同28日における米消費者の支出額(買い物額)は前年同期比14%増を記録した(自動車を除く)。同統計にはオフライン(実在店舗内)での支出も含まれる。したがって、ことしのブラック・フライデイ週末(金曜~日曜)は、オフライン販売が非常に好調で、全体としては米消費者の購買意欲は例年以上に旺盛だといえる。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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