法人向けクレジット・カードを提供する新興企業のランプ(Ramp、ニューヨーク市拠点)は、出張関連サービス市場に進出する。
テッククランチ誌によると、2019年3月に設立されたランプは、最初の製品として同年8月に法人向けカードを市場投入しており、このほど、「ランプ・フォー・トラヴェル(Ramp for Travel)」という新サービスを発表した。
新サービスは、既存および新規の顧客に対して追加料金なく提供される。その機能には、領収書を自動的に集めて、人工知能を使って経費の名目を区分するといった出張経費管理業務自動化が含まれる。
「出張のあり方には根本的な問題があると感じてきた」「当社は、出張管理の情報を向上させて、かつてない可視性を実現したいと考えた」と、共同設立者のエリック・グライマン氏は話している。
同社は、その新機能の一環として、リフト(Lyft)との直接統合を実行した。ランプはその結果、リフトから領収書を直接取得できるようにした。また、クローム(Chrome)ブラウザー向けの拡張機能も開発した。ランプは今後もほかのサービスとの統合を増やす計画だ。
フィンテックのなかでも法人向けの財務会計分野は活況しており、競争も活発だ。ランプの競合社には、3億ドルの資金調達を実施したばかりのブレックス(Brex)や、2億7500万ドルを調達したトリップアクションズ(TripActions)、アメリカン・エキスプレスとの業務提携を発表したエアベイス(Airbase)がある。
ランプは、2021年8月に3億ドルを資金調達した際、39億ドルの評価額をつけた。次の資金調達ラウンドがすでに予定されているとみられ、それが実行されれば、同社の評価額は80億ドルに達するという観測もある。
ランプに投資したおもなベンチャー・キャピタル会社には、ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)やレッドポイント・ベンチャーズ(Redpoint Ventures)、ストライプ(Stripe)が含まれる。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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