壁一面を覆うタッチスクリーン・システム 〜ハワースのブルースケイプ

 米国第2位のオフィス用家具生産販売大手ハワース(Haworth)は、双方向ディスプレイ開発のオブスキュラ・デジタル(Obscura Digital)と協力し、オフィスの壁を利用する会議用大型タッチスクリーン型ディスプレイ「ブルースケイプ(Bluescape)」を開発した。

 ビジネスウィークによると、ブルースケイプは、55インチの平面モニター15台を壁一面に設置するシステムで、各モニターに搭載された32個の専用検知器を使って、指触操作に加え、利用者の手の動きにも反応する。画像を最大限に縮小した場合、広さにして160エイカー分を表示できる。

 会議中にスクリーンに書いたメモを保存できるほか、「壁」にデジタル・ペンを使ってデジタル付箋を追加したり、ほかの端末から「仮想空間」を閲覧し、文書をアップロードすることも可能。

 スクリーンへの付箋追加をはじめ、文書や写真の挿入、画像の回転も指触操作できるほか、変更も記録できる。

 ブルースケイプ・システムを1年以上にわたって授業で試用してきたカーネギー・メロン大学のスチュワート・エバンス教授は、「大きなキャンバスで作業し、多くの人とやり取りできる」点を評価している。

 ブルースケイプ・システムの試験運用を扱うハワース子会社によると、カーネギー・メロン大学のほかにも、映画会社やホテル・チェーン、製造会社、建築会社を含む約30の企業がブルースケイプを現在試用中で、6月に第一号受注を見込んでいる。

 価格は未定だが、モニター1台で構成する基本仕様が約3万ドルから、モニター15台の場合で約100万ドルの見通し。

 ブルースケイプ子会社は、ブルースケイプのソフトウェアおよびサービスをライセンスする計画だ。

 専門家らは、高コストがブルースケイプ普及の障害になると指摘する。たとえば、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)は、コスト高による販売不振を理由に、動画会議とネットワーキング・システムのヘイロー(Halo)を2011年にポリコム(Polycom)に売却している。

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