クローガー、売れ残り食品で発電 〜環境対応を強化するスーパーマーケット
- 2013年5月23日
- 環境ビジネス
西海岸のスーパーマーケット大手クローガーでは、嫌気性消化(微生物による有機物の分解)装置を使った発電機を導入して、傷んだ食肉やパンなど売れ残り食品を原料にして発電している。
ロサンゼルス・タイムズによると、同社の嫌気性消化装置は、傘下のラルフズとフード4レスに商品を供給するカリフォルニア州コンプトンの配送センターに設置されている。
同施設では、売れ残りをパッケージごと破砕し、ガラスや金属を除いた後、近くの酪農業者から引き入れた熱い廃水を混ぜて「果汁いっぱいのミルクシェイク状」(マイク・ブライエンズ・ラルフズ副社長)にし、巨大タンクに流し込む。そのなかで生物分解が進み、その過程で出るメタン・ガスが三つの発電タービンの燃料となる。
年間発電量は130万キロワット時と、住宅なら2000世帯以上を賄える規模で、同配送センターの電力需要の20%以上を補っている。
ボストンの新興企業フィード・リソース・リカバリーが開発したこの発電システムは、嫌な臭いを出さず、余分な水分は下水に送られ、残りかすは有機肥料に使われる点でも無駄が少ない。
クローガーは同システムによって1日250トンのごみを減らしている。
同事業の投資リターンは18.5%とみられ、耐用期間中に節約できるコストは1億1000万ドルと推定される。
天然資源保護協議会(NRDC)が2012年8月に発表した報告書によると、米国では食料の40%が捨てられ、国民一人あたりでは月20ポンドが無駄になっている。捨て場となる埋め立て地からはメタン・ガスが発生し、その量は国内排出量の25%を占める。
スーパーマーケットのなかには、陳列商品を減らしたり、売れ残り商品を腐葉土にするといった方法でごみ減量に取り組む店も増えている。
北カリフォルニアのアンドロニコス・コミュニティ・マーケットでは、見た目は悪いがまだ食べられる商品を値引き販売している。
また、ホールフーズ・マーケットはソーラー・エネルギーを導入し、ウォルマートは風力とソーラー、燃料電池による電力を積極的に購入している。
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