LED電球4万個盗まれる〜電気代高いチリ、10万ドル相当
- 2013年6月20日
- アメリカ発ニュース
電気代の高いチリでこのほど、照明器具メーカーの倉庫から大量のLED(発光ダイオード)電球が盗まれる事件が起きた。被害総額は約10万ドル。
クリスチャン・サイエンス・モニターが伝えたチリ国家警察の調べによると、今月16日、サンチアゴの工業地帯にある大手メーカー「ByP」の倉庫に何者かが忍び込み、約4万個のLED電球をトラックに積み込んで逃走した。監視カメラのテープは引きちぎられていた。
電力消費量が白熱電球の約30分の1と優秀なLED電球は、電気代が簡単に節約できるため世界中で人気が高まっている。特にチリは電気料金が高く、1世帯当たりの電気代は月28ドルと中間個人所得(月240ドル)の10%以上を占める。1キロワット時当たりの電気料金では、チリは21セントと首位のデンマーク(41セント)にはかなりの開きがあるが、米国の約2倍の水準だ。
チリでは、経済や消費の拡大が続いているにもかかわらず、大型の石炭火力発電所や水力発電所は環境問題絡みの訴訟で電力生産が減速または停止しており、さらに規制によって代替エネルギー発電の金融支援が難しい状況にある。この結果、あらゆる電気の価格が高騰し、個人や企業が電気代を減らそうとすれば電球をLEDに取り替えるくらいしか選択肢がない。
しかしそのための初期投資コストは高く、LED電球は国内最大の日用品チェーン店で10ドル以上と電球型蛍光灯(CFL)の2倍もするため、今回のような犯罪が発生したとみられている。
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