米国人の半分は休暇中も仕事〜メールや書類、見ないと不安

 米国人の半分は休暇中も仕事をしていることが、クラウド・ネットワーキング・ソフトウェア企業パーティーノ(Pertino、カリフォルニア州)の最新調査で分かった。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、休暇先から同僚にテキストやeメールを送って仕事の状況を確かめるだけにとどまらず、実際に画面上に書類を広げて仕事をする人が増えている。調査に答えた男性の64%、女性の57%が「休暇中に仕事をしている」と答えた。

 パーティーノのトッド・クラウトクレマー副社長(マーケティング担当)は「情報化時代で労働者の生産性は飛躍的に向上したが、同時に労働者が日常使っているアプリケーション、ファイル、データへの精神的依存も生まれ、一定期間それらから離れると不安になる人が増えた」と分析している。

 こうした不安を和らげるため、多くの人は休暇中もラップトップ、スマートフォン、タブレットなどを持ち歩いており、36%は「ビーチで日光浴中に」、31%は「バスルームで」仕事をしたことがあると答えた。

 一方で、表面的には休暇を楽しみながらも常にツイートやアラートに注意を払うことは、人付き合いに悪影響を与え、精神を消耗させる恐れもある。ウェストフロリダ大学が2008年に行った調査では「仕事中毒は家族と一緒にすごす時間が少なく、結婚の満足度を下げる傾向にあり、健康にも良くない」という結果が出ている。

 「常に働いている人はキャリアに対する満足度が低い」という別の調査結果もある。また、ほとんどの仕事中毒者は起きている時間の大部分を仕事関連の行動や思考に費やしているため、気楽になることが必要な時間を楽しめない傾向にある。クラウトクレマー氏は「仕事中毒の世界に浸ることは簡単だが、仕事とそれ以外の活動を区別することはとても重要。自分に適したリズムを作るべき」と提言している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  2. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040」を自身...
  4. ニューヨーク市内で「一軒家」を探すのは至難の業です。というのも、広い敷地に建てられた一軒家...
  5. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  6. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  7. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
  8. 日本からアメリカへと事業を拡大したMorinaga Amerca,Inc.のCEOを務める河辺輝宏...
ページ上部へ戻る