自治体の代替エネルギー購入が増加〜価格の低下で

 再生可能エネルギーによる電力の価格低下を受け、電力事業を運営する自治体が発電業者と長期の購入契約を交わすようになっている。

 サステイナブル・ビジネス・ニュースによると、テキサス州ヒューストンは、電力会社リライアント(同州)との間で向こう2年間に風力発電による電力140メガワット(MW)をわずか200万ドルで購入する契約を交わした。同市が必要とする電力の半分に当たり、米都市による代替エネルギー電力の購入では過去最大規模という。

 ヒューストンは、国内でも高いエネルギー効率基準を導入し、最も大きな電気自動車(EV)の充電ネットワークを持つ都市の1つ。また、テキサス州は風力発電能力が全米最大で、州内の発電量の9.2%を風力が占める。送電網の構築でも68億ドルを投じており、風力発電による電力を州内都市に送る能力は2倍に拡大される見通しだ。

 一方、カリフォルニア州パロアルトでもこのほど、複数のソーラー発電業者と電力の長期購入契約を交わし、電力需要の18%を太陽光発電で賄う事業が承認された。この契約は、3軒のソーラー発電所から30年間にわたり計80MWのソーラー電力を1キロワット時当たり6.9セントで購入するという内容。この価格は天然ガスや風力並みで、新設の原子力発電所や石炭火力発電所よりも安い。

 パロアルト市議会は今年3月、今後は炭素を排出しない電力源だけを使うという計画を賛成多数で可決した。17年にソーラー電力の供給が始まれば、電力の50%が代替エネルギー発電で賄われることになる。こうしたことができるのは市が電力事業を所有しているためで、最近は電力事業の公有を検討する都市も増えている。

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