GE、発電施設管理で飛躍 〜リアルタイム監視と遠隔操作で問題修正
- 2013年7月24日
- 環境ビジネス
ゼネラル・エレクトリック(GE)は、発電施設の稼働状況に対する可視性を高めるシステム開発で成果をあげている。
アトランタにある同社の遠隔監視および診断センターでは、1500ヵ所のガスおよび蒸気タービンの稼働状況を監視しており、その発電容量は200ギガワットに上る。世界の総発電能力の約25%に当たる規模だ。
世界の発電所の4分の1をリアルタイムで監視できること自体は、それほど驚くべきことではない。注目されるのは、発電所から送られてくる情報に基づいて、遠隔操作で即座に対応できる点だ。
グリーンテック・メディア誌によると、「当社がアクセスできる情報自体は、それほど変わっていない」「変わったのはデータ収集能力だ」「当社の分析能力は、5年前と比べて10倍に高まっている」と、アトランタ施設の管理者を務めるジャスティン・エガート氏は説明する。
最近まで主流を占めていた発電所管理のあり方は、時間のかかる手作業によるものだった。発電所に問題が発生すると、GEが技術者を派遣して現場で解決していた。問題の性質によっては、解決までに数週間かかることもあった。
しかし現在では、検知器の改良と演算力の強化を通じて、問題を遠隔地で診断できるだけでなく、時には問題が発生する前に予兆を探知できるようになった。それによって、問題解決に必要な時間が短縮され、場合によっては現場へ作業員を送る必要も排除されるようになった。
エガート氏の率いる20人の部隊は、発電所に合計数千万ドルの年間経費削減をもたらしている。GEは、2011年に遠隔保守管理を通じて7000万ドルの燃料費削減を顧客にもたらしたと報告した。
GEの発電管理事業の中核は、現時点では火力発電だ。しかし、GEは再生可能エネルギー分野の事業も強化しており、将来の変化を見越した戦略も取っている。単純な発電所管理だけでなく、発電所が電力市場で余剰電力を売れるようにするサービス「GE予測性ソリューションズ(GE Predictivity Solutions)」を2012年来開発しているのもその一環だ。
この種のサービスは、発電量が変動する再生可能エネルギーの割合が高まるにつれ、発電所にとって重要性を増すと期待される。
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