商品買わずに「感想」投稿〜リビューの5%はうそ、最新調査

 物を買う前に各種ウェブサイトで既に購入した人の感想(リビュー)を読み、商品の詳しい情報を得ようとする消費者が増えている。ところがリビューにはうそも多く、使ったことすらない人が投稿する例もあることが最新調査で分かった。

 ロサンゼルス・タイムズによると、マサチューセッツ工科大学(MIT)とノースウエスタン大学のマーケティング学教授2人が、あるプライベート・レーベル衣料品大手のサイトに掲示されたリビューを調べたところ、約5%は対象の商品を購入した記録のない人によって書かれており、それらは他のリビューよりはるかに否定的な内容だった。

 他社の商品に対して否定的なリビューを投稿する企業や、手数料や報酬を払って消費者に自社商品を褒めさせる企業の存在はかなり以前から指摘されていたが、使ったことのない商品の悪口を書く(あるいは書かされる)人もいるようだ。

 調査を行ったMITのダンカン・シメスター教授によると、低評価のリビューは商品の需要を落とし、その影響は12カ月間以上続く。購入していない商品の否定的なリビューを投稿する理由は不明だが、消費者がブランド・マネジャーになったつもりで、商品を買ったかどうかに関係なくメーカーにフィードバックを提供しようと考えた可能性がある。

 また、頻繁にあるいは詳細にリビューを書けばその分野の専門知識があるように見えると思い、消費者がオンラインでの評判を上げたくて行った可能性もある。

 一般的には、買った商品のリビューを書く消費者は極めて少なく、今回調査されたアパレル・ブランドの場合は2%未満だった。リビューを書く人は概して買い物好きに多く、しかも大部分を格安価格で買い、しばしば返品し、新商品または珍しい商品を買う人に多い傾向がある。

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