コムヴァージ、日本に研究拠点を開設 〜電力需要反応の成長加速に期待
- 2013年8月7日
- 環境ビジネス
需要反応(需要応答)サービスを提供するコムヴァージ(Comverge)は、日本に研究開発拠点を開設した。同社にとってアジア地域におけるこれまでで最大の投資となる。
日本での拠点開設は、経済産業省の「アジア拠点化立地推進事業」の公募で選ばれ、その補助金を利用して実現した。
同補助事業は、日本経済に与える好影響が大きいと認められる国際企業の統括拠点や研究開発拠点の日本国内立地を支援することで、高付加価値機能の誘致を図る産業政策。2011年度に10社、2012年度に4社が選ばれている。
コムヴァージは、電力会社と電力顧客の間に入って需要反応を代行する、いわゆる需要反応アグリゲーション事業を手がけている。
グリーンテック・メディアによると、日本では福島原発危機後の電力事情によって、供給側に限界が生じていることから、最近になって需要側の管理が注目されるようになっている。技術投資はすでに盛んに行われているが、今後日本で需要反応がどのように根付くかは、まだ不透明だ。
コムヴァージは、日本市場の現状を調査した結果、研究拠点の開設が最も適切な取り組みだと判断。同社によると、日本市場は今後、自動需要反応のための通信規格「オープンADR」プロトコールのような標準を採用する必要があるとみられる。
コムヴァージは、需要反応プラットフォームの「インテリソース(IntelliSOURCE)」を使用し、日本市場特有のニーズに合わせてサービスを調整していく計画だ。
「日本では今後、加速度的に需要反応が導入されていくだろう」と、同社の国際事業責任者デイビッド・エリス氏は語っている。
オープンADRアライアンス(OpenADR Alliance)が2013年6月に東京で開催した会合には、十数社の加盟企業が参加した。同アライアンスによると、その後のワークショップには40社以上が参加しており、9月にも別のイベントを開催予定だ。
同アライアンスに加盟済みの日本企業には、富士電機や東芝、日立製作所、三菱電機、富士通、NTTが含まれる。同アライアンスはまた、経産省の研究プロジェクトで早稲田大学とも協力している。
日本の送電網は、世界で最も近代化された部類に入る。これまでに日本で行われた実験的プロジェクトの多くは、高度な家庭用エネルギー管理システムやスマート家電に関連している。
「文化的に見て、日本は長年にわたって省エネを励行してきた」「負荷削減制度への参加を説得するのは、比較的容易だろう」と、GTMリサーチのカミル・ボヤンジク氏は最近の報告書で述べている。
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