需要反応、2020年までに現在の2倍に 〜欧州とアジアへの普及期待
- 2013年8月7日
- 環境ビジネス
ナヴィガント・リサーチ(Navigant Research)は、公表した報告書「Market Data: Demand Response」のなかで、電力需要反応(応答)制度に参加する施設数が現在の1030万ヵ所から2020年には2190万ヵ所に増え、電力需要削減可能量にして15万5779メガワットに達するという予想を示した。
需要反応の成長は、電力業界にとって重要な意味を持つ。米国では、需要反応は夏のピーク時の停電予防にすでに貢献しており、今後は新興経済圏でも電力需要調整に役立つ可能性がある。また、欧米で再生可能エネルギーの統合にも寄与できる。
クリーン・テクニカによると、現時点で導入が進められている需要反応制度は、世界全体で1300件あるが、その95%を占めるのが北米市場で、それによる需要削減可能量は66.4メガワットと、米国のピーク時の電力需要の約9%にあたる。
需要反応制度に参加している施設の半数以上は、商業建物や産業施設だ。制度参加の奨励金支払額は、2019年までに43億ドルに達すると予想される。
米国での成功を踏まえて、需要反応制度は今後、世界各地で普及すると期待される。ナヴィガントの報告書では、世界の需要反応市場年間成長率を13.5%と予測。その多くが欧州およびアジア太平洋地域での成長で記録される。残りの市場は、中近東およびアフリカでの成長で構成される見込みだ。
「こんにち、需要反応の参加施設は大多数が北米にあるが、この技術は急速に多数の国に広まり、個人住宅や商業建物、産業施設を含むようになる」と、ナヴィガントのマリアンヌ・ヒーディン氏は述べた。
また、電力会社が主導的に需要を調整する自動需要反応制度も、通常の需要反応制度以上の伸びを示す、とナヴィガントは予測する。
欧州では、多数の再生可能エネルギー施設を統合する需要がその普及を加速させ、アジア太平洋では、需要反応を飛び越えて最初から自動需要反応が普及する可能もある。
新興経済圏の電力需要の抑制は、将来のエネルギー市場において重要な要因だ。米国のエネルギー情報管理局は先ごろ、世界のエネルギー使用料が2040年までに56%増加し、そのほとんどが非先進国の成長で占められ、また化石燃料発電で賄われるという見方を発表した。
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