ハネウェル、新型の室温調節器を投入 〜市場の覇権争いがし烈化
- 2013年8月14日
- 環境ビジネス
通信網に接続された家庭用室温調節器市場の覇権争いがし烈化している。
ギガOM誌によると、ハネウェルは最近、ワイファイ接続機能を搭載した室温調節器(249ドル)とオンライン省エネ計算機を発売した。冷暖房調節器の市場で長年にわたって確固たる地位を築いてきた同社が、追い上げる新興企業に立ち向かうための新型製品と位置付けられる。
同分野で頭角を現している新興企業の代表格は、ネスト(Nest)やラジオ・サーモスタット・カンパニー・オブ・アメリカ(Radio Thermostat Company of America)だ。
新興企業勢は積極的に動いており、たとえばネストは、2011年に製品を発売したばかりにもかかわらず、ホーム・センター大手のロウズやアップルのオンライン・ストアーに販路をすでに開拓した。
同市場の覇権争いは、スマート室温調節器の市場だけをめぐるものでは必ずしもない。内蔵検知器やソフトウェア、無線通信機能を備えたこの種の装置は、冷暖房だけでなく、いずれは家電やそのほかの電気機器も管理するようになると予想されるためだ。
そこには、消費者が自宅の電力消費をより綿密に制御し、自動化することを望んでいるという前提がある。しかし、様々な設定や微調整にどれだけ時間をかけるかについては、先行きが不透明でもある。
高機能のエネルギー・ダッシュボードを売り込む試みは、基本的に失敗に終わったと言えるが、その一方で、消費者が電気代を払う際に省電力の助言を提供するという取り組みは、関心を呼んでいるかに見える。
ソーラー・パネルや蓄電池を設置する住宅が増えている昨今の市場動向を受けて、コントロール・システムの対象は、室温調節のみならず多方面に広がるのが必然的なり行きだ。同市場は非常に大きく成長する可能性があるうえ、現時点では決定的な覇者が存在しない。
ハネウェルは、今回の新機種によって、これまで業務用室温調節器に使ってきた技術を採用した。その結果、利用者は日々の温度設定をプログラムし、スマートフォンで遠隔操作できる。室内外の温度を監視して、暑くなりすぎたり涼しくなりすぎたりすると通知を発信し、新しい温度設定が必要なことを知らせる。また、ワイファイ接続が切断された時や停電が起きた時にも通知が送られる。
この室温調節器の中心となっている技術が、温度を正確に測定して直ちに通信する検知器とソフトウェアだ。他社の室温調節器は最大4度の誤差があるが、ハネウェル製品の誤差は上下1度だ、と同社の担当者は説明している。
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