広がる動画会議システムの選択肢 〜 コスト低下と技術進化で普及加速か

 価格低下や新技術登場によって、動画会議が身近で使いやすい設備として普及しつつある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、企業が導入している動画会議技術のうち最も派手で目立つのは、大企業の会議室に使われる高価な会議室向け動画システムだ。

 同市場部門ではシスコ・システムズやポリコム、ロジテック・インターナショナル傘下ライフサイズ部門、アバイア傘下ラドビジョンが強い。同市場は通常、大型スクリーンと高品質のテーブル用マイクロフォンおよびスピーカー、壁に取り付けるビデオカメラで構成され、最終コストが数十万ドルに上る。

 しかし最近は、はるかに安い製品を提供する企業が台頭してきた。台湾のエイヴァー・インフォメーション(AVer Information)は、広角カメラとテーブル用マイクロフォン、映像データ圧縮装置からなる「EVC100」を999ドルで販売する。利用者は、既存のテレビにそれらを接続することで動画会議を可能にできる。

 また、ニュージャージー州の新興企業ヴィディオ(Vidyo)は、1度に何百人も参加できる会議システムを出しており、最高8人を映し出せるスクリーンを1台あたり4500ドルという手頃価格で販売する。

 一方、特殊な機材を買う予算がなかったり本格的動画会議システムに興味がなかったりといった企業向けには、システム業者のウェブサイトから必要なソフトウェアだけダウンロードする方法もある。

 その場合、必要なのはウェブキャムとマイクロフォン、スピーカー、高速インターネット接続だけだ。それれはほとんどのパソコンやスマートフォンに付いている。無料ソフトウェアにはウーヴー(ooVoo)やグーグルのハングアウツ(Hangouts)がある。ハングアウツは、最高10台、ウーヴーは12台の端末とつなげられる。

 テレビ電話の代名詞として定着したスカイプでは、二人用の動画会話は無料だが、3人以上になると一人がスカイプ・プレミアムに加入している必要がある。同サービスは、月約5.30ドルで最高10台の端末と接続できる。

 そのほかにも、アップル愛好家には無料のアイチャット(iChat)や、99セントのフェイスタイムといったアプリケーションも人気がある。

 さらに最近は、専用ソフトウェアをダウンロードする必要すらないクラウド基盤の動画会議サービスも登場した。ブルー・ジーンズ・ネットワークやアドビ・コネクトは、ウェブキャムと広帯域接続さえあればブラウザーで動画チャットに参加できる。

 ポリコムやロジテックといった大手も、ソフトウェアとクラウドを組み合わせた低価格動画会議サービスを提供している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る