車体を3Dプリンターで製作〜カナダのエコカー開発チーム

 カナダのエンジニア集団が、プラスチック製の車体を3Dプリンターで生産する車の開発に取り組んでおり、このほどサンフランシスコで開かれた存続可能な技術関連の会議「バージ(Verge)」で試作車を公開した。

 サンフランシスコ・クロニクルによると、グループはジム・コア氏が率いる新興企業コア・エコロジック(Kor Ecologic、マニトバ州)の技術陣。これまでバスや農機のデザインを手掛けた実績があり、できるだけ低エネルギーで高速走行できる車の開発を目指している。

 会議では小型版「アービー(Urbee)」しか展示できなかったが、同社は進化した実用版「アービー2」の製作に取りかかっており、2015年をめどに同車で米大陸の横断に挑む計画だ。ルートは、1903年にホレイショー・ジャクソンとシウォール・クロッカーが史上初の自動車による大陸横断に成功した進路の逆、すなわちニューヨークからサンフランシスコに向かう道順を取る。

 アービー2は、風船を平たくつぶしたような滑らかな外観の車体を持つ2人乗り軽量3輪車で、高性能ハイブリッド・エンジンで走る。大陸横断で必要な燃料は10ガロン以下、燃費は1ガロン約290マイルを目指す。

 車体は、金属パイプのシャーシ(車の骨格)に合わせて成型した粘土モデルをコンピュータにスキャンし、仮想の風洞実験で細部を調整した後、3Dプリンター専門メーカー・ストラタシス(Stratasys)のミネソタ州の施設で製作している。最初の「車体印刷」に要した期間は数週間で、ガラス繊維で造る場合よりはるかに短かった。また、3D印刷の性質上、プラスチック材料の無駄がなく、結果として不必要な重量が生じないという。

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