青果の宅配、LAでも実験〜アマゾン、会費制で

 オンライン小売り最大手アマゾンが2007年から本拠地ワシントン州シアトルで展開している青果の宅配サービス「アマゾンフレッシュ」が、13年6月からロサンゼルスの一部でも試験的に行われている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、青果販売は利幅が薄く、オンライン業者ではまだ大成功した例はないものの、アマゾンは事業の拡大に伴い新市場の開拓が必要になっている。

 青果の宅配は、先駆けとなったウェブバン(Webvan)が01年に倒産したほか、現在ニューヨーク地区で営業するフレッシュディレクト(FreshDirect)や英国のオカド・グループも経営は苦しく、いずれも12年は営業利益を計上できなかった。

 しかし、RBCキャピタル・マーケッツは「理論的にはアマゾンが青果販売で利益を出せない理由はない」とみている。店舗販売大手のホールフーズ・マーケット、セイフウェイ、クローガー、フレッシュ・マーケットの12年の平均粗利益率が29%だったのに対し、アマゾンは25%と大差はなく、店舗のような万引きや取り扱いによる損傷の被害も少ないと思われるからだ。

 市場調査サンフォード・C・バーンスタインは、アマゾンフレッシュが参入する市場で10年以内に4%のシェアを獲得できれば単独で利益を計上でき、さらに規模を拡大することで13%の営業利益も可能とみている。ただしそのためには客が1回平均120ドル以上、月に2回注文する必要がある。現在フレッシュディレクトでは1回の注文がニューヨーク市内で平均120ドル、郊外では150ドルで、イリノイ州が拠点のピーポッド(Peapod)は157ドル。

 バーンスタインは、アマゾンは人口が多く配送コストを9ドル以下に抑えられる地域でしかサービスを提供しないと指摘する。料金体系も地域によって異なり、シアトルでは最低注文金額がなく宅配料金は注文が多いほど割り引くスライド制だが、LAではアマゾン・プライム(無料の2日後配送サービス、年会費79ドル)を含めて年会費300ドルを徴収しており、35ドル以上の青果注文は配送無料。

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