アップル、極東市場で快進撃の様相 〜 日中の最大手にアイフォーン供給

 アップル(Apple)はこれまで、中国と日本という極東2大市場で韓国サムスン電子(Samsung)や国産メーカーの後塵を拝してきたが、両市場における携帯電話サービス会社(キャリヤー)最大手との契約によって、アイフォーン(iPhone)販売台数を大幅に伸ばしつつある。

 ビジネスウィークによると、アップルは、日本3大キャリヤーのなかでアイフォーンを唯一扱っていなかったNTTドコモに同製品を9月から卸し、また、ティム・クック最高経営責任(CEO)が中国に自ら乗り込んで、中国移動(チャイナ・モバイル)との契約を獲得したことで、アジア2大市場でのアイフォーン販売を一気に拡大させる軌道に乗った。

 中国移動の通信網は4GのLTEにまだ対応していないが、現在、その整備の最終段階にあることから、2014年の早い時期にも中国移動がアイフォーンを販売し始める。

 日本最大手のドコモと中国最大手の中国移動がほぼ同時期にアイフォーン販売に踏み切ったのは偶然ではない。その背景には、競合社による激しい両社への追い上げがある。

 ドコモの場合、ソフトバンクとKDDIがアイフォーンを相次いで扱い始めたが、ドコモは日本電話機メーカーの製品に固執した。その結果、2005年に60%以上だったドコモの市場占有率は47%まで落ち込んだ。

 アイフォーン導入によって加入者増を狙ったドコモは、11月に9万3000人の新規加入者を獲得し、6万6000人の加入者を失った9月から大きな回復を見せた。

 ただ、ソフトバンクやKDDIの新規加入者数に比べるとドコモの勢いは依然として弱い。また、市場調査会社によると、日本ではスマートフォン利用者のうち4人に3人がアイフォーンを使っていることから、スマートフォン市場が飽和状態にほぼ近いと言える。したがって、ドコモは新規加入者の獲得よりも、競合社から加入者を奪取することが回復に欠かせないとみられる。

 そのため、ドコモは現在、競合キャリヤーから乗り換える消費者に対して様々な特典を提供するキャンペーンを展開。日本の小売業界にとって最大の繁忙期となる歳末から正月にかけて、どこまで売り込めるかに関心が集まっている。

 一方、およそ7億5900万人の加入者を持つ中国移動の市場占有率は62%と非常に大きいが、過去5年間に加入者を奪われ続け、占有率を10%も落としている。

 ブルームバーグ・インダストリーの業界専門家によると、9月末締めの12ヵ月間に中国で販売されたアイフォーンは2210万台。中国移動が来年第1四半期中にアイフォーンを販売し始めれば、富裕層がアイフォーンに切り換え、その結果、中国移動だけでアイフォーン販売台数は1810万台を上積みするだろ、と予想される。

 しかし、アイフォーンの中国価格は競合機種よりはるかに高いため、中位機種や下位機種に勝てないという見方もある。したがって、アイフォーンは、中国移動によるLTE整備というスマートフォン需要増の商機を十分に獲得できない可能性も指摘される。

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