グーグル、ボストン・ダイナミクスを買収 〜 ロボット開発の強化に邁進

 グーグル(Google)は、ロボット開発企業の買収に注力しており、16日には、歩行ロボットで知られるボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)を新たに買収した。

 グーグルは、この半年間に7つのロボット会社を相次いで買収している。ボストン・ダイナミクスは8社目となる。

 ボストン・ビジネス・ジャーナルによると、ボストン・ダイナミクスは、国防省向けに研究用可動(自立移動可能)ロボットを設計し、平衡感覚に優れた歩行ロボットや、時速29マイルで走る俊足ロボットの開発で世界的に高い評価を受けている。

 グーグルがロボット会社を買いあさっている理由は明らかではないが、業界専門家らによると、倉庫業務や配達といった分野における新しい形の自立型システムの構築を図っているとみられる。

 先日には、アマゾン(Amazon)が小型無人飛行機のドローンを商品配達に使えるようにする開発計画を明らかにしたばかり。オンライン小売事業にも進出しているグーグルは、アマゾンに対抗するための物流事業拡大を視野に、関連業務のロボット化を優先事項として位置づけていると考えられる。

 ボストン・ダイナミクスはこれまで、米軍と契約を交わしてきたが、グーグルは軍事関連契約を請け負う考えがないことから、米軍との既存契約だけを履行し、新たな軍事契約を結ばない方針だ。

 ボストン・ダイナミクスは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の元教授であるマーク・レイバート氏が1992年に設立した。商業向けには販売しておらず、国防総省の高等研究計画局(DARPA)向けプロジェクトを通して、移動型やオフロード・ロボットの技術を向上させてきた。

 同社の歩行ロボットは、人が歩きにくい地表を進むことを武器とする。たとえば、英ロボット製造会社フォスター・ミラーや米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)、ハーバード大学と協力して、2003年に開発を始めた四足歩行ロボットの「ビッグドッグ」は、坂道から雪道、氷上まで転ばずに簡単に歩き通し、人に蹴られても転ばずに踏みとどまって体勢を立て直すことができる。

 同社はまた、アトラスと呼ばれる人型ロボットの開発にも取り組んでいる。アトラスは、災害時の救助および復旧活動を実行するロボットになることを目指している。

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