企業幹部には教育が必要〜デジタル時代の基本知らず
- 2013年12月18日
- 米国ビジネス
若い世代が難なくデジタル・メディアを使いこなすのに対し、年長者にはインターネットすらよく知らない人も多いため、時代に遅れないよう経営幹部にソーシャル・ツールの使い方などを学ばせる企業が増えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、幹部向けハイテク教育の目的は、リーダーにデジタル時代の基本を理解させ、企業の投資判断力を高めることにある。
コンピュータ・プログラミングや商品デザインなどのコースを提供するニューヨーク市の教育サービス企業ゼネラル・アセンブリーでは、過去18カ月間にアメリカン・エキスプレス、NYSEユーロネクスト、ペプシコなど多くの企業の幹部が講義を受け、データ分析の方法やIT起業家の考え方を学んだ。受講料が2日で6万ドルという高価な講座もある。
広告代理店ドラフトFCBヘルスケアの幹部22人が参加した講座では、利用者体験に関するレッスンとして、参加者がフェイスブックのサイトの絵を記憶に頼って描くよう指示された。「さっぱり分からない」という人もいたが、それぞれの絵を基に、ウェブページの色や混み合い具合といった要因がいかに利用者体験に影響するかなどについて議論した。
同社が幹部のデジタル・トレーニングに多額を投資したのは、若い社員が新しいアイデアを提示しても、その下地にあるテクノロジーを上司が理解できず受け入れられないことが増えたためだという。
オンライン求人掲示板やトレーニング・コースなどのサービスを提供するネット・メディア企業メディアビストロも、メディア、消費者用品、金融、ホスピタリティ業界向けに、各社のオフィスで行う短期トレーニング・プログラムを提供している。基本的なツイッターの使い方だけでなく、このサービスを使ってどんな戦略が機能し、実際にライバル企業が何をしているかなどを教えている。
一方、 幹部一人一人に若い指導者を付けてソーシャル・メディア使い方を学ばせる企業もある。シティグループの中南米部門では、マイアミ大学の学生15人が指導者になって各幹部を相手に毎月講義を行っている。
ゼネラル・アセンブリーによると、企業幹部の99%はデジタル分野での成長が重要だと考えているが、会社がそれに対応するスピードに満足している幹部は10%にとどまっている。
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