将来には家具が無線充電器に 〜 「チー」規格の進化版で新たな可能性

 無線給電規格の「チー(Qi)」を策定したワイヤレス・パワー・コンソーシアムは、共振方式を用いた新しい技術を消費者電子製品見本市(CES)で実演した。

 チーは現在、携帯電話やスマートフォンの無線充電方式として用いられており、パッド型の充電器の上に携帯機器を置くことで充電できる。ただ、必ずしも普及が進んでいるとは言えないのが実情だ。

 ギガOMによると、ワイヤレス・パワー・コンソーシアムでは、チーに準拠した充電器の使用台数が現在4000万台に達していると説明しているが、同技術が主流になるにはさらに普及する必要がある。

 共振方式の新しい技術は、充電パッドから少し離れていても機器を充電できる。CESの実演では、充電パッドの上にノートを2冊重ね、その上に携帯電話を乗せて充電した。現行のチー規格とも後方互換性がある。

 新技術を使えば、たとえば家具の天板のなかに充電パッドを組み込み、その上に置くだけで充電可能となる家具を作れるようになる。車のなかや飛行機の座席のアームレストなど、用途がかなり拡大する可能性もある。ただ、現時点の充電効率は65%前後で、完ぺきなソリューションとは言いがたい。

 また、現行のチーに基づく充電パッドは、充電器の真上に携帯機器を置く必要があるため不便さが伴う。新技術では、大型の充電パッドの上に3台の携帯電話を放り投げるように置いても、即座に充電が開始された。

 現段階では、新技術にもまだ改良の余地があることは明らかだ。しかし、開発が進めば、ベッド脇のナイト・スタンドやテーブルに携帯電話をむぞうさに置くだけで、朝までに充電が完了するという状況も実現するかもしれない。

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