ターボチャージャーの世界市場〜リーダー企業の技術革新で加熱

 ハネウェルターボ・テクノロジーは今年、20を超す新しいテクノロジーを導入した100以上のターボチャージャーのアプリケーションを新発売する予定だ。同社は、軽乗用車と商用車両方に向けたガソリン、ディーゼル、天然ガス、ハイブリッド・パワートレーン用に新アプリケーションを発売する。世界的なターボチャージャー市場の競争が今後、加熱していくのは必至だ。

 燃費向上への取り組みが要因となり、ターボチャージャーの普及は、2013年の31%が2018年までには38%に達すると見込まれている。ハネウェルは、ディーゼル車の占める割合が高いことから、ヨーロッパが今後もターボチャージャーの先進的市場であり続けることを確信している。ターボチャージャーの普及は、ヨーロッパで2018年までに67%にまで達しそうだ。北米市場は31%、中国では33%、インドでは53%にまでなると見られている。

 ターボチャージャーの大手サプライヤーであるハネウェル、ボルグワーナー、三菱重工、IHI(石川島播磨)は、同事業の伸びを期待している。一方でボッシュ・マーレ、コンチネンタルらの新規参入企業は、ターボチャージャーの世界市場の6%程度を2017年までに獲得したいと狙っている。

 ボルグワーナーの成長戦略は、ターボチャージャーの新たな需要に基づいたものだ。同社は2014年から2016年にかけて、過去3年の新規ビジネスより26%上回る29億ドル相当のパワートレインの新ビジネスを視野に入れている。新規ビジネス全体のうち、およそ80%がターボチャージャーのようなエンジン関連の製品である。

 VWは、米国向け車種に関して、今後3年から4年で、従来型のガソリンエンジンからターボチャージャー式エンジンとディーゼル式パワートレインに完全に入れ替えようとしている。トヨタとスバルも2014年から小型ターボチャージャー式エンジンを導入することを11月に決定した。トヨタのラインアップには、現時点でターボチャージャー式エンジンの車両はないが、1.0から1.5リッターの間で搭載することになる。

 小型のターボはターボチャージャー市場でのプレゼンスを増していくだろう。2017年までには、1.1から2リッターのターボもしくはスーパーチャージ型エンジンが市場で最大のシェアを占めるだろうとIHSオートモーティブは予測している。2011年に比べると、このサイズの過給器系エンジンの生産基数は、2600万基と、およそ2倍に膨れ上がる。

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